きっと、またあえる


 2023.6.9    親たちはダメな学生だった【きっと、またあえる】

                     
きっと、またあえる スシャント・シン・ラージプート
評価:3

■ヒトコト感想
「きっと、うまくいく」と同じシリーズなのだろう。インド映画独特のくだらなさと、インドの学歴社会の苛烈さが強烈に描かれている。受験生の息子が悩んでいる。優秀な両親は合格した後のことしか考えていない。試験結果は…。インドの試験の倍率のすさまじさと、受験に失敗した際の絶望感が伝わってくる。

絶望した息子はマンションから飛び降りて…。瀕死の重傷で入院中の息子に、親は自分たちの大学時代がいかにくだらないかを語る。メインはこの大学時代のはちゃめちゃ展開だ。エロの上級生、マザコン、アル中、口の悪い男など周りはどうしようもない者たちばかり。そんな中で、面白おかしい展開が続いていく。息子は親の話を聞いて、親も完璧ではないと思い生きる気力を蘇らせる。

■ストーリー
受験生の息子が病院に担ぎ込まれた! そこに集まった、今は親世代になったかつての7人の仲間たち。年を重ねて、色々変化はあるけれど、あの日の友情は変わらない。親友アニの受験に失敗した息子を励ますため、悪友たちは「負け犬時代」の奮闘を病室で語り出す---。90年代、インドでもトップクラスのボンベイ工科大学に入学したアニ。しかし振り分けられたのはボロボロの4号寮。気のいい先輩や愉快な仲間はいるが、そこは寮対抗の競技会で万年最下位で、他の寮から“負け犬"と呼ばれていた。

しかし今年はなんとしても汚名を返上する!そのためには、バスケ、サッカー、重量上げ他、多種の試合に勝つ必要があった。4号寮は知恵とやる気とチーム力であらゆる手段を使い勝ち抜いていく。だがライバルも黙ってはいない。果たして、勝利を手にすることはできるのか、そして彼らが最後に得たものは?!

■感想
受験ノイローゼとなり自殺しようとした息子。受験の負け犬は人生の負け犬で生きる価値がないと勝手に思い込んでいる。実は完璧と思われた両親は、学生時代はルーザーズというグループを組むほど負け犬だったとわかる。

インドの工科大学に入学した男たちのくだらない学生生活が描かれている。勉強はできるのだろうが、私生活がめちゃくちゃだ。寮生活で、同じ寮の上級生がとんでもない。イジメはないのだが、エロにすべてを注ぐような先輩や、アル中の先輩など、ろくでもない者たちばかりだ。

工科大学なので男がほとんど。女は数えるほどしかいないのだが…。ライバルたちとの闘いに勝ち女学生と付き合えるのはまさに幸運なのだろう。主人公たちが住んでいる寮はダメな寮ということで有名で、寮をうつりたいと思う者がほとんどだ。

寮対抗での競技大会がある。そこで常に最下位だであり、今回は優勝すると意気込むのだが…。これら波乱万丈な寮生活を入院中の息子に聞かせる。昔の仲間たちも集まってくるのだが、皆が昔を楽しい思い出のように語る。

基本に忠実というか、わかりやすいストーリー展開だ。学歴社会のインドで負け犬でも良いんだ、というメッセージは人々に刺さるのだろう。ダメ人間だけがつどった寮が、万年最下位から脱して、その後決勝でライバルの寮と戦うなんてのはまさに逆転ものとしての王道だ。

戦い方も正攻法ではなく、ズルや裏工作をしまくって、どんなことをしてでも勝つという意気込みがある。完全なエリートではなくても良い。ダメな学生たちのはちゃめちゃな生活は確かに元気がわいてくる。

飽きない面白さがある。



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