寄生獣 完結編


 2022.10.23     原作の重要な箇所がコンパクトに網羅されている【寄生獣 完結編】

                     
寄生獣 完結編 通常版/染谷将太,深津絵里,阿部サダヲ,山崎貴
評価:3

■ヒトコト感想
「寄生獣」はかなり昔に見た。完結編としてパラサイトとの結末が描かれている。原作マンガはかなり面白かった印象がある。本作では、多少改変してはいるが、大枠のストーリーは変わりなく短い時間でコンパクトにストーリーが網羅されている。広川や後藤、そして田宮良子の存在。本作のポイントはなんといっても探偵の倉森だろう。パラサイトに娘を殺され、その恨みをすべて田宮にぶつけようとする。この場面での田宮と倉森のやりとりは秀逸だ。

東福山市長舎でのSWATとの闘いも強烈なインパクトがある。そして、なんといっても最後の浦上との駆け引きも良い。原作マンガと異なる部分もあるが、重要なエッセンスは十分網羅されている。

■ストーリー
右手に寄生生物ミギーを宿す高校生・泉新一は、要注意人物として人間からもパラサイトからもマークされていた。いまや、新一の住む東福山市は、市長・広川を中心に組織化されたパラサイト達が、一大ネットワークを作り上げていた。一方、人間側も、寄生生物殲滅を目的とした対パラサイト特殊部隊を結成。アジトと化した東福山市庁舎に奇襲を仕掛けようとしていた。激化する戦い…。

人間の子を産み、人間との共存を模索するパラサイト田宮良子は、新一とミギーの存在に可能性を見出したが、肝心の新一は、母親を殺された事件をきっかけで寄生生物への憎悪を募らせていた。そんな彼らの前に、最強のパラサイト・後藤が、その姿を現した。生きるのは人間かパラサイトか。そして「寄生獣」とはいったい何なのか。新一とミギー、最後の戦いがついに始まる。

■感想
寄生獣のストーリーは十分網羅されている。新一の母親がパラサイトに寄生され、新一は母親を殺すことになる。そんな衝撃的な前作から、さらにパワーアップしていく本作。強烈なのは東福山市の面々と、田宮良子の存在だ。

パラサイト同士でも統制がとれ市長にまで上り詰める。そして、パラサイトと人間の共生を考えるのだが…。常にパラサイトの事件の近くには新一がいた。そのことを警察も怪しみ始める。本作のメインである、東福山市長舎でのSWATのパラサイト殲滅作戦は強烈だ。浦上という、パラサイトを見分けることができるサイコパスの存在により成り立つ作戦だ。

田宮良子のパートもすさまじいインパクトがある。パラサイトに寄生された男女がSEXをして妊娠し生んだ子供。その子供は普通の人間だった。だとするとパラサイトは子孫を増やすことができない。その存在にどんな意味があるのか。

田宮良子が、パラサイトはか弱いのでイジメるなと言っていたのが妙に印象に残っている。子孫繁栄もできず、本体である人間が死んだらそれで終わり。人間を捕食することができるが、そこにどのような存在意義があるのか。地球に最も害をなす存在が人間というのが強烈だ。

ラストは後藤との対決となる。ミギーが新一から離れ、新一単独で後藤との対決となる。普通なら勝てるはずがないのだが…。新一の内部にはミギーの残骸が入り込んでおり身体能力がUPしている。偶然、放射性物質がたっぷりついた鉄の棒を後藤に突き刺すことで勝利する新一。

後藤がバラバラになる場面は気持ち悪い感じがした。そして、そのまま放置せずにしっかりと決着をつけたのが良い。その後、オマケ的に浦上との対決がまっているのだが、そこでのミギーの痕跡が示されるのが良い。

原作の雰囲気はしっかりと踏襲されている。



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