キングダム2 遥かなる大地へ


 2023.10.13    軍隊のしきたりと将軍の強さを描く【キングダム2 遥かなる大地へ】

                     
キングダム2 遥かなる大地へ [ 原泰久 ]
評価:3

■ヒトコト感想
前作はそれなりにマンガの面白さがでていた。本作ではストーリー的にはしょうがないのかもしれないが、信が軍隊としての戦い方を学ぶのと将軍の偉大さが描かれている。相変わらず主要キャラクターは有名俳優が演じている本シリーズ。マンガのキャラクターなのでヘンテコな見た目をしているのは間違いない。中国の歴史ものとしては「レッドクリフ」があるが、それと比べてのマンガ原作的な雰囲気が強い。

特にキョウカイについてはマンガならではのキャラだ。基本ストーリーとしては下っ端の信が軍隊の内部での戦いに慣れていき、ひとり圧倒的な強さで敵の大将にまでたどり着く。壮大な映像ではあるが、ストーリーは単純だ。キングダムとしての面白さはあまりでていない。

■ストーリー
信が秦国の若き王・えん政と共に玉座を奪還した半年後。突如、隣国「魏」が国境を越え侵攻を開始した。秦国はえん政の号令の下、魏討伐のため決戦の地・蛇甘平原に軍を起こす。初陣の信は、同郷の尾平と尾到、頼りない伍長・澤圭、子どものような風貌に哀しい目をした羌かいと最弱の伍(五人組)を組むことに。魏の総大将は、軍略に優れた戦の天才・呉慶将軍。かたや秦の総大将は猪突猛進の豪将・ひょう公将軍。信たちが戦場に着く頃には、戦況は最悪に。完全に後れを取った秦軍だったが、隊を指揮する縛虎申は、無謀ともいえる突撃命令を下す―

■感想
信が正式に秦の軍隊に参加する。素人の信は伍という五人組に参加することになる。闘いの基本として五人一組で仲間を助けながら戦う。確かにこの方が味方をサポートできて死ぬ確率も減るのだろう。ただ、信は無鉄砲にひとりで敵陣の中に突っ込んでいく。

マンガ的なのはしょうがないのだが、信ひとりで敵をかき乱すことで、周りの本体が敵を撃ち破りやすくなる。基本は信の無謀なツッコミにより、敵の陣形が崩れ秦が優勢となる流れだ。まるで信の活躍を予見していたように信を活用するヒョウコウが印象的だ。

軍隊の仕組みとして伍の隊長から始まり、百人将や千人将と部下の数により大将の呼び方が変わる。信は千人将にも食って掛かりながら敵を倒すことにまい進する。本作ではシリーズの中で重要な役割を担うキョウカイの紹介の色合いが強いのだろう。信とキョウカイが出合い、そしてこれから信が成り上がっていく。

相変わらず王騎のインパクトはすさまじい。ヒョウコウの副将である騰もマンガキャラを意識した配役となっている。その他、文官たちも有名俳優たちであふれている。

結局は魏の大軍との闘いが描かれているだけだ。原作マンガでも序盤の軍の戦いはそれほど面白くない。ある程度、信が出世した状態でないとダイナミックな軍としての戦いは描けないのだろう。下っ端の信の無双具合はいくらなんでも無理がある。中だるみ的な作品であることは間違いない。

主要キャラクターが魅力的ではあるが、これからどこまでキングダムをやり続けるのか。この地味なパートを描いているということは、これから先までしっかりと描くという覚悟のようなものを感じた。

原作マンガの面白い部分をつまんで映画化する必要があるのだろう。



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