キングダム


 2020.7.27      中華の壮大な物語をさわりだけ【キングダム】

                     
キングダム[ 山崎賢人 ]
評価:3

■ヒトコト感想
マンガ原作の本作。マンガは最新話まで読んでいるので、内容については違和感なくついていくことができた。キングダムの面白さの神髄は中華の覇権争いにある。本作では信がこれから成長していくであろう前段しか描かれていない。主要なメンバーは登場してはいるが、より本格的に面白くなるのはこの後だろう。

続編の制作が決定されたようだが、信が大群の中に切り込んでいくシーンがどれだけ描かれるのか。そうはいっても、本作はキングダムのさわりを描いたとしても十分すぎるほどの内容だ。特に山の民などの再現率はすばらしい。キングダムを知らない人でも楽しめる作りとなっている。ファンとしてはもっと先が見たくてたまらないだろう。

■ストーリー
紀元前245年、春秋戦国時代、中華・西方の国「秦」。戦災孤児の少年・信と漂はいつか天下の大将軍になることを夢見て日々剣術の鍛錬を積んでいた。ある日、漂は王都の大臣である昌文君によって召し上げられ王宮へ。信と漂の二人は別の道を歩むことになる……。王宮では王弟・成きょうによる、クーデターが勃発。戦いの最中、漂は致命傷を負いながらも、信のいる納屋にたどり着く。「今すぐそこに行け…」血まみれの手で握りしめていた地図を信に託し、漂は息絶える。

信は漂が携えていた剣とその地図とともに走り出した。地図が示す小屋にたどり着いた信の目に飛び込んできたのは、静かにたたずむ漂の姿だった!?死んだはずの漂がなぜー。

■感想
信という孤児が天下の大将軍になるまでを描く壮大な物語だ。マンガは現在でも完結していない。壮大な物語のほんの一部が本作で描かれている。信が秦の国王・政と共に上り詰めていく。信のキャラはなんでもありでひたすら突っ走るタイプだ。

敵の大群に囲まれたとしても、信はひたすら突っ込んで敵を切り続ける。キングダムが人気なのは、中華を統一するために秦や韓や趙との闘いの部分だろう。その際に、個性豊かな将軍たちが登場し、信は死にそうになりながらも踏ん張りながら戦い続けている。

本作の見どころは間違いなく山の民だろう。信たちを助ける役目なのだが、この個性がすばらしい。中華の軍と明らかに異なる野蛮な風貌ではあるが、強烈なインパクトがある。山の民の助けにより政は王座を取り戻すことに成功している。

その他には、王騎という圧倒的な存在感を誇る将軍がいる。今後、信と政がどのようにして上り詰めていくかがキングダムの面白さのポイントなのだが、本作では政が王座に復帰したところで終わっている。それでも十分楽しめることは間違いない。

キャストが原作に寄せているのが良い。特に政の弟である成キョウがすばらしい。まさに原作とうり二つ。憎たらしい感じがとてつもなく良い。その他のキャラも完全になりきっている。マンガを読んでいれば、キャラクターのシンクロ具合も楽しめる要素のひとつだろう。

続編でどこまで描かれるのかわからないが、原作の長大な物語はあと何作作れば終わるのだろうか。キングダムのだいご味は大量の兵士たちによる軍の戦いなのだが、それがどこまで再現されるのだろうか。。。

続編が楽しみなことは間違いない。



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