KAPPEI カッペイ


 2023.6.5    平和な時代ではただの変態だ【KAPPEI カッペイ】

                     
KAPPEI カッペイ [ 伊藤英明 ]
評価:3

■ヒトコト感想
「デトロイト・メタル・シティ」の原作者が新たに描いたマンガ原作の作品。北斗の拳のように終末が来た際に生き残るためだけに訓練してきた男たち。結局、終末は来ないということで、無防備に世間に解き放たれた男たち。強烈なギャグ作品だ。ノースリーブのジーンズのベストを着たカッペイ。気持ち悪く感じるのは短パンの丈が太ももギリギリな部分だろう。

見た目が北斗の拳のケンシロウのような風貌も面白さを倍増させている。同じく世間に放たれた元カッペイの仲間の守は、金髪だが裸にサスペンダーという異様な格好をしている。恋愛に奥手な者たちが、恋愛に熱を上げる面白コメディだ。正直、カッペイたちよりも、それらの者たちを受け入れている大学生たちが異常だ。

■ストーリー
1999年7月に世界が滅亡するというノストラダムスの大予言を信じ、乱世の救世主となるべく、殺人拳・無戒殺風拳の修行に人生を捧げてきた男・勝平。だが、世界が滅亡する気配など一向に感じられないまま、師範から突如「解散」を命じられた終末の戦士たちは、それぞれ東京の地へと流れ着く。右も左もわからぬ大都会で、気弱な大学生・啓太を助けたことをきっかけに、女子大生・山瀬ハルと出会い、人生で初めて“恋”を知る。

■感想
乱世の救世主となるため訓練されてきた者たち。世間の常識を知らず、ただ自己鍛錬のみを続けてきた男たち。気づくとノストラダムスの大予言は外れ、終末はやってこなかった。となると、終末に備えて訓練してきた者たちはどうなるのか。

常識や恋愛を経験しないまま、おじさんたちが世間に放たれる。明らかに異質な格好で世間の注目を浴びる。素肌にノースリーブのジージャンを来て短い短パンを履いた男には近づきたくはない。常識を知らないのが悪い方にでているパターンだ。

大人しい大学生と知り合いとなるカッペイ。そのまま大学生の家に居候するのだが…。大学で運命の人と出会う。恋愛にウブなカッペイは、戸惑う。終末にそなえ格闘技を訓練していたのと同様に、恋愛についても誇大妄想がすさまじい。

相手の女の子も、カッペイに対して普通に接しているのが良い。その他のカッペイの仲間たちも合流し、同じく異質な行動を繰り返す。終末であれば人々を助けるヒーローなのかもしれないが、平和な時代ではただの変態でしかないのが悲しく面白い。

ラストはカッペイの愛の告白がメインとなる。果たしてカッペイは幸せになれるのか。面白展開が目白押しだ。ただ、北斗の拳を知っていないと楽しめないかもしれない。登場キャラクターたちが明らかに北斗の拳を意識したキャラとなっている。

ラストでカッペイは失恋するのだが、その後、隕石が地球にふってきて世紀末になるのが秀逸だ。そこで、カッペイたちの真価がはっきされ、恋人もなぜかカッペイと同じように世紀末を生き抜くたくましい女性へと変貌している。

強烈なコメディ作品だ。



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