時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019→2020 


 2024.2.14      いつの時代も、昔と比べて悪くなったと言われる 【時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019→2020】


                     
時代へ、世界へ、理想へ 同時代クロニクル2019→2020 [ 高村薫 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
高村薫がその時起きた出来事について語るエッセイ集。基本的には世の中の悪い部分やネガティブな部分に苦言を呈する形でエッセイは描かれている。作者の年代的な問題なのだろうか。いつの時代も政治や世の中に不満はあるのだろうが、昔と比べて極端に悪くなっているのだろうか。この感じでいくと、数年後にはさらに悪い世の中になっているような気がした。

特に印象的なのは政治への不満だ。確かに国の借金は雪だるま式に膨れ上がり、長期政権である安部政権への不満もあるのだろう。非正規雇用の問題やその他もろもろ。東京オリンピックが近い時期にあり、コロナ前ということで、ギリギリのせめぎあいな感じなのだろうか。常にネガティブなことが気になった。

■ストーリー
政治腐敗は極を超え、社会システムは破綻寸前。ウイルスが、災害が、気候変動が、地球環境から個人の肉体、精神までおびやかす。人倫の軸が揺らぐ、かつてない時代2019→2020を、理想を手放さぬ作家の幻視力が見透す。根底的な思考による、より良く今を生きるための時評集。

■感想
時期的には東京オリンピックへの準備やラグビーワールドカップ、新元号などの話題がメインとなっている。本来ならリアルタイムに読むべきところを数年後に読むと、ああ、こんな出来事があったなぁ、という気持ちで読むことができた。

基本は世の中や政治についての苦言がメインだ。腐敗した政治やオリンピックの経費がいくらかなど、のど元過ぎればの感覚で、すでにどうだとかは忘れている。それでも、その時に作者がリアルに感じたことを描いているのだろう。ごもっともかもしれないが、嫌な小言のように感じてしまった。

時代は常に悪くなっているのだろうか。過去にも政治の腐敗は履いて捨てるほどあっただろうし、今の政府が悪いのは確かだが、極端に悪いかというとそうではない。国が戦争に突入なんてことはないだろうし、そのかわりに諸外国に良いように扱われているというのはあるのだろう。

令和という元号が国民に対して命令すると言う意味が含まれているなど、明らかに飛躍しすぎな流れもある。世の中の悪い部分やネガティブな部分を見た方がエッセイは書きやすいのだろうが…。

作者の視点で世の中の良い部分をエッセイとして描いてほしかった。これが作者の正直な気持ちなのかもしれない。何十年も生きてきた中で、昔に比べて今は生きづらいのだろうか?世の中は間違いなく便利になり、情報についても隠蔽が限りなく難しくなっている。

実は昔の方がもっととんでもない世の中だったが、それが表にでていないだけだったのでは?なんて思ってしまった。不平不満が言いやすい世の中で、一本芯の通った苦言はすばらしいと思うのだが…。

この後続いていく、他年代のエッセイも読むつもりだ。



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