医学のつばさ 


 2023.3.7      謎の生命体「いのち」の正体は? 【医学のつばさ】

                     
医学のつばさ [ 海堂尊 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
「医学のひよこ」から続く物語。なぞの生命体「いのち」を巡る争い。中学生3人組がいのちを取り戻そうと奮闘する。いつものバチスタシリーズのメンバーが登場してくる。いのちの正体は相変わらず不明のまま、いのちを巡る大人たちの暗躍が描かれている。いのちを研究するために特殊な機器が必要だとか、動物実験的なことをやられるのを拒否するだとか。

中学医学生シリーズとして、当初の論文不正の話からずいぶんと様変わりしているのは間違いない。謎のたまごからいのちが登場し、ついには人間にうりふたつの姿に変身したりもする。もはやなんでもありで、最後までいのちの正体を明らかにせずシリーズは終わっている。なんだかよくわからないシリーズだ。

■ストーリー
東城大医学部に通う中学三年生の曾根崎薫は、クラス委員の進藤美智子、ガキ大将の平沼雄介、医学部を目指すガリ勉の三田村優一ら同級生たちと、洞穴の中でみたこともない巨大な「たまご」を発見。薫たちは孵化した謎の生物に〈いのち〉と名付け育てようとするが、動物実験の材料にしようとする文科省に囚われてしまう。〈いのち〉の奪還を試みる薫たちだったが、やがて「こころの移殖」という壮大な陰謀が明るみになり、米国政府をも巻き込む巨大な騒動に発展していく……。「中学生医学生」シリーズ完結編!

■感想
いつもの3人がいのちを取り戻すために奮闘する。中学医学生シリーズとしてスタートした本作。中学生が主役なのは変わりないが、いのちという謎の生物を巡る争いになっている。見た目は巨大な赤ん坊だが、体に排泄する仕組みがない。

明らかに人間とは違う生物。それを実験し秘密を暴き、あわよくば軍事転用しようと考える組織もある。バチスタシリーズのキャラクターたちがいのちに関わってくる。ひとことでいうといのちを取り戻すためのドタバタミッションが本作のすべてだ。

前作まではいのちの正体が判明するかも?という謎解き的なイメージがあった。それが、結局のところいのちは正体不明のまま終わっている。終盤ではいのちは人間とそっくりな姿に変身することが可能で、さらには日本語のようなものを話したりもする。

米軍やいのちを移動させるための専用の軍艦なども登場しており、大掛かりとなる。海上自衛隊や米軍を出し抜いて中学生たちがいのちを奪還する。いのちにこころを移植するだとか、現代の医療で可能なのか?という複雑な仕組みが描かれている。

白鳥や田口、高階などが登場してくる。バチスタシリーズのファンであれば楽しめるだろう。作者が医者ということもあり、複雑な医学用語が登場してくる。少し未来の世界なので、なんでもありなのかもしれないが、よくわからない用語で煙に巻かれているような気がした。

もしかしたら、今後のバチスタシリーズに本作で登場した中学生たちが登場してくるのかもしれない。作者は様々なシリーズがコラボするのがよくあるので、かなりの確率で登場してくるのだろう。

シリーズとしては…。よくわからないというのが感想だ。



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