包帯クラブ ルック・アット・ミー 


 2023.2.2      精神的に傷ついた場所に包帯を巻く 【包帯クラブ ルック・アット・ミー】

                     
包帯クラブ ルック・アット・ミー! The Bandage Club Look At Me ! [ 天童荒太 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
「包帯クラブ」の続編となる本作。人が傷ついた場所に包帯を巻く。その人本人に包帯を巻くのではなく、場所に巻くことで精神的に傷ついた者へのケアができる。学生時代にそんな活動をしていたら、学校から目を付けられることになる。確かに公共の設備に包帯を巻くというのは、それなりにインパクトがある。

若者の反発ということで、物語はすすんでいくのだが、大人になった彼らもまた自分の信念に基づいて行動している。紛争地域で人を助ける活動をする。自分を守り大切な人を守ろうとする。バンド活動がちょっとした青春物語のようになってはいるが、それだけだ。無理にバンドにする必要はないと思われるが、物語としての青春の要素は強くなるのかもしれない。

■ストーリー
『包帯クラブ』から16年。前作の終わりから話が始まる。人が傷ついた場所に包帯を巻く活動は、無理解や反発などを受け、自粛を余儀なくされる。しかし、ひっそりと会うなかでバンドを始める。バンドの発表の場を求めながら、別の形での包帯クラブの実現を試みる彼ら。未来の、成人した彼らの姿も交差して描かれる。自分たちのやり方で、自分を守り、大切な人たちを守ろうと踏み出す彼らの第二幕が開く。

■感想
包帯クラブの続編的作品。精神的に傷ついた者を癒すために人が傷ついた場所に包帯を巻く。それに何の意味があるのか、と言われると物理的な意味はないのだろう。ただ、傷ついた人が包帯を見て、自分の傷を癒すための手がかりとする。

学生時代から包帯クラブの活動をする。公共の場所に突然学生たちが包帯を巻くと、確かに何も知らない人からすると不気味でしかない。何か変に深読みしてしまい、深い意味があるのかと考えてしまう。単純に学生のいたずらのように見えてしまう場合もあるのだろう。

街中に包帯を巻くことが活動となっていたが、学校から目を付けられ禁止されてしまう。そこから包帯クラブというバンド活動へと変化していく。まさに発散場所のない青春のうっぷんをバンド活動で外にだすような感じかもしれない。

お決まりどおり、バンド内というかグループ内での恋愛模様が描かれている。そこから成人し大人となった包帯クラブの面々が、自分たちの思いのまま仕事をする。強烈なインパクトはないのだが、バンド活動では、まさに青春真っただ中というような感じだ。

紛争地帯で活躍する者たち。学生時代の包帯クラブの活動と同様に、誰か人を助けようとする気持ちが強い者たち。恋愛的な駆け引きがありながらも、日々の仕事に充実感をもっている。ラストでは紛争地域で行方不明となった者を探すのだが、そこで包帯が巻かれていることに気づく。

ゲリラ組織に居場所を知られずに、仲間の助けがきた際に気づくようにする。包帯クラブの活動がすべてつながっているということなのだろう。包帯クラブの面々たちの活動の美しさばかりが印象に残っている。

強烈なインパクトがあるわけではないが、前作が好きな人は読むべきだろう。



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