ゴールデンスランバー


 2024.7.5    悲壮感ただよう逃亡劇【ゴールデンスランバー】


                     
ゴールデンスランバー/カン・ドンウォン,ハン・ヒョジュ,キム・ウィソン,ノ・ドンソク(監督、脚本),伊坂幸太郎
評価:3

■ヒトコト感想
原作はすでに読んでいる。映画化された日本の作品も見たことがある。本作は韓国リメイクなのだが、どことなく主演俳優が日本版の主演である堺雅人に似ている。巨大な国家の力によりテロの犯人に仕立て上げられたゴヌ。国家の陰謀という雰囲気は韓国に合っている。物語のトーンとして日本版はどこか明るく軽い雰囲気があるのに対して、韓国版は終始シリアスな展開となる。

巨大な権力と陰謀に対しては、ただの市民では抵抗できない恐ろしさがある。はめ込まれた場合は、逃げ出すのは相当難しい。日本版はなぜか偶然の要素があり主人公は逃げきっているのだが、韓国版は必然的に逃げ切るような仕組みができている気がした。韓国版は原作のにおいがあまりしない。

■ストーリー
アイドル歌手を強盗から救い、国民的ヒーローになった宅配ドライバーのゴヌ。ある日、友人ムヨルから突然連絡があり再会するが、二人の目の前で次期大統領候補が爆弾テロにより暗殺されてしまう。動揺するゴヌに向かってムヨルは「お前を暗殺犯に仕立てるのが“組織"の狙いだ。誰も信じるな、生きろ! 」と警告。国家情報院はゴヌを暗殺犯と断定し、大規模な包囲網が敷かれる。身に覚えのない罪を着せられたゴヌは事件の裏に国家権力が潜んでいることを知る。無数の警察に追われる無実の男は、巨大な陰謀にどう立ち向かうのか…?

■感想
なぜか国民的ヒーローとなった宅配ドライバーのゴヌ。突然、テロ犯とされて警察から追われることになる。国家の陰謀に巻き込まれた形で、犯人として都合が良いのでゴヌが選ばれた。序盤のゴヌからすると、何もわからない状態で、次々と不幸が襲い掛かってく感じだ。

彼女と思っていた女性も実は陰謀に加担していた。親友と思っていた男や、学生時代からの友達にも陰謀の魔の手が迫っていた。ゴヌからすると、信頼できる仲間がいないので、八方ふさがりな状態となっている。

親友からの「誰も信じるな」という言葉は重い。孤独に逃げ続けるゴヌであるが、そこで全く知らないおじさんから助けられることになる。ゴヌとつながりのない謎の男。この男が国家の陰謀を実行する組織から追われた者だとわかる。

個人の利益のためにゴヌを助けるのは明確だ。ゴヌは逃げながらも人の好い感じがひたすら漂っている。巨大な組織の陰謀では、ゴヌが事前に計画を企てる映像までがマスコミに流されている。その映像はゴヌ自身が電話をかけている映像だった。

ゴヌにすべての罪を押し付けるために、国家が動いている。規模がすさまじい。整形してまでゴヌと同じ人物を作り上げ犯罪をでっちあげる。ゴヌが生き残る手段は…。いくらマスコミがバカだとしても同じ顔の人物が複数存在すれば、マスコミの大好きな陰謀論に行き着くのだろう。

ゴヌが生き残る方法はひとつしかない。ゴヌは最後の最後まであきらめないのが良い。日本版と比べると、主人公の悲壮感が韓国版の方が強い。日本版は根拠なく、どうにかなると思えてしまった。

シリアスな展開が良い。



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