不眠症 下 


 2022.10.6      特殊能力を得たラルフとロイスが死神と戦う 【不眠症 下】

                     
不眠症(下) 文春文庫/スティーヴンキング
評価:2.5
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■ヒトコト感想
上巻でラルフとロイスは相手のオーラが見えるという不思議な能力を得ることができた。そこから、謎のハゲでチビの医者が見えてしまう。どこか幽霊的な存在と思われていたのだが、実は死をつかさどる存在ということになっている。最終的な目標としては、上巻の冒頭で登場したエドを倒すということになる。そのために、老人であったラルフとロイスが他人から精気的なものを吸い取ることが可能となり若さを取り戻していく。

死神的な存在が見えたり、腕をチョップの形で振り下ろすことでカッターのようなものを出すことができたり。特殊能力を得たラルフとロイスがエドと関連する偶然や意図を操作する死神との対決ということになる。不眠症というタイトルからは想像できない流れとなる。

■ストーリー
運命を司る、「別次元の存在」たち。そのうちのひとりが今、デリーの町を皮切りに世界を破滅させようとしている。阻止できるのは、その秘密を知ったラルフと長年の女友達、ロイスの老人ふたりだけ。残された時間はわずか。老いのもたらす非力さを自覚しながらも、世界を救うため、ふたりは立ち上がった。

■感想
ラルフとロイスは別次元の存在たちに気づく。まずラフルたちは、人々の様々なオーラを見ることができる。そこから、いつの間にか自分たちに相手から若さというか精気のようなものを吸い取ることで、自分を若く保つことができる。

まさに夢のような能力ではあるのだが…。死をつかさどるハゲでチビな医者たち。ラルフたちからすると医者が殺しているように思えるのだが、死ぬべき時がきたので医者たちがやってきているだけとわかる。それとは別に「偶然」をつかさどる死神は突然の死を招き入れる存在だとわかる。

上巻の冒頭で登場してきたエド。そのエドが大きなテロを企てようとしている。それを防ぐために動きだしたラルフとロイス。相手のオーラを見るという特殊能力と、腕を振り下ろすことでチョップで青い刃を飛ばすことで相手を倒すことができる。

若々しさを得たラルフとロイスが動き出す。デリーの町をひとまずターゲットとするエド。そこから世界を目指す。ちょっとした正義のヒーロー的な要素があるのだが、最後には偶然をつかさどる死神の存在により邪魔されることになる。

不眠症というタイトルは下巻ではほとんど意味をもたない。不眠症の症状がでたラルフとロイスが、実は特殊能力を得ていた。睡眠不足が強烈に進行した結果での、幻覚的な症状かとも想像してしまったのだが…。偶然の死神が事故を起こそうとする。

それをラルフが身をていして阻止する。ある程度想定できるような流れかもしれない。不眠症がきっかけとして得た特殊能力。人から若さを吸い取るという、当人たちにとっては不老不死に繋がる夢の能力なのだが、それに対しての喜びよりも周りから若くなったことへの指摘への不安感が強く描かれている。

タイトルから想像できる流れではない。



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