エルヴィス


 2024.5.3    白人らしからぬ音楽性と激しい腰フリ【エルヴィス】


                     
エルヴィス [ オースティン・バトラー ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
エルヴィス・プレスリーの半生を描いた作品。マネージャー的存在である大佐目線であり、エルヴィスの実際の映像を交えながら描いている。正直、エルヴィスプレスリーについてはよく知らない。絶大な人気のあったロックスターが、どのような人生を送ってきたのか。幼少期から黒人の音楽に囲まれて生活した影響で、黒人的な音楽に精通する。

昔は黒人の音楽を白人がやることはない、という流れだ。エルヴィスの金遣いが荒いことや、大佐との軋轢が描かれている。ロックの神様ということで、体制に対して反抗的なのも定番だろう。若い女性たちを夢中にするエルヴィスの魅力。働きすぎで薬物漬けとなり晩年は太り始めている。ラストの実際の映像を交えたライブはすさまじいインパクトがある。

■ストーリー
人気絶頂で謎の死を遂げたスーパースター、エルヴィス・プレスリー。彼が禁断の音楽“ロック”を生んだライブの日から世界は一変した。型破りに逆境を打ち破る伝説と、裏側の危ない実話。彼を殺したのは誰なのか??

■感想
実在の人物の半生を描いた作品。「ボヘミアン・ラプソディー」のように、ロックスターへの道を昇りつめていく過程と、激しいライブシーンがメインなのだろう。若いころのエルヴィスは確かにイケメンで女性たちが熱狂するのもよくわかる。

白人らしからぬ音楽性と激しい腰フリが売りなのだろう。周りの大人たちが、なぜ若い女性がそこまでキャーキャー言うのかわからない、という表情をしているのが印象的だ。いつの時代も最前線を行く者はなかなか理解されないのだろう。

エルヴィスのマネージャーである大佐との関係は重要なポイントだ。なんとも怪しげな人物である大佐。自分がパスポートをとれないため、エルヴィスの海外展開へは否定的となり、エルヴィスが稼いだ金の半分を取り分とする。

ただ、大佐からすると、エルヴィスはいうことを聞かないやっかいな男というイメージだ。スポンサーのリクエストは無視して自由気ままに曲を演奏する。過激な演奏スタイルは、時に周りを巻き込み混乱を巻き起こす。若い女性たちが狂ったようにエルヴィスに駆け寄る場面は恐怖感すら覚えてしまう。

晩年のエルヴィスは働きすぎで消耗しており、肉体的にも限界を迎えていたのだろう。それを薬でだましだましごまかしながらライヴを続けるという感じだ。ラストではエルヴィスが死ぬ前の最後のライブの映像が流れる。そこでは太った体で立って歌うのが苦しいのか、座った状態で歌っていた。

若いころのスリムでセクシーな姿の面影すらない。大佐との確執や、浪費癖などはスターであればありがちなパターンかもしれない。トータルで考えると幸せな人生ではなかったように思えた。

強烈なインパクトのあるライヴシーンだ。



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