2023.3.5 化け物じみた盲目の老人が主役だ【ドント・ブリーズ2】
ドント・ブリーズ2 [ スティーヴン・ラング ]
評価:3
■ヒトコト感想
前作で強烈なインパクトを放っていた盲目の老人が主人公となる本作。前作では、強盗側の視点で、家主である盲目の老人の恐ろしいまでの執念と不死身具合が描かれていた。そのキャラがあまりに強烈なので、ついには主人公になってしまっている。老人が少女を育てている。前作からの流れで老人がレイプし妊娠させた子供かと思いきや…。
火事が起きた時に少女を奪い取ったとらしい。今回は、臓器売買組織が少女を狙い、老人の屋敷に忍び込むという流れだ。相変わらず老人の不死身具合はすさまじい。盲目の老人が正義側に傾いてはいるが、殺し方は残酷だ。前作ほど盲目ということをアピールしていないが、化け物具合は十分に表現されている。
■ストーリー
人気のない郊外の古びた屋敷に住む、ある盲目の老人。彼はその屋敷で一人の少女を大切に育て、二人だけで静かに暮らしていた――。その男こそ、8年前、強盗に押し入られた被害者として生きているが、実は強盗団を惨殺した過去をもつ、あの盲目の老人だった・・・。ある日、謎の武装集団が老人の屋敷に静かに忍び込む。その目的は少女―― 。暗闇の中、全てを知り尽くした屋敷内で全員の抹殺を試みるも、訓練されていた集団は老人を襲い、火を放つ。
命からがら炎の中から逃げ出したが、そこに少女の姿はない。目覚める狂気の怒り。老人は己の手で大切に育てた少女を取り戻すため、武装集団の後を追う・・・。その集団はなぜ少女を狙うのか、少女はいったい何者なのか、老人はなぜ少女に固執するのか。全ての真実を知ったとき、前作を超える衝撃に息が止まる――。
■感想
前作で死んだと思われた盲目の老人はやはり生きていた。前作ではとんでもない化け物じみたキャラだったのだが、本作では少女を守る正義の味方的な風味がある。が、それでも化け物には違いない。少女を連れ去ろうと屋敷に忍び込んだ強盗たちは、老人に負けないほど残酷でむちゃくちゃな者たちなので良い勝負なのかもしれない。
老人と少女の関係が明らかとなる。やはり老人は少女を攫ってきて自分の娘としていた。少女からすると行くも戻るもいばらの道という感じだ。
盲目でありながらとんでもない強さを発揮する老人。強盗たちは老人が盲目と気づいているが、それでも勝てない。強烈なのは老人の残虐性だ。強盗の鼻と口を瞬間接着剤で固めてしまい呼吸ができないようにする。強盗と格闘になると、最後には自分と同じ世界を見せると強盗の両目を潰してしまう。
元軍人とはいえ、複数人の若い強盗に対して盲目の老人が対等以上に戦えるのはすさまじい。強盗の中には、少女の臓器移植に対して否定的な者もいる。
一番の被害者は少女だろう。父親と思い込んでいた老人が実は化け物で、自分は老人にさらわれてきたということを知る。そのため、強盗と一緒に屋敷から逃げ出したは良いが、そこでは生きたまま心臓を他人に移植されようとする。
少女が不憫でならない。最終的な少女の逃げ出し先が、養護施設というのも悲しい。今回も老人は死んだように見えているのだが…。再びの復活もあり得るだろう。盲目でありながら、それを活かして強盗たちを圧倒する。その戦い方が新しいのだろう。
前作の悪役が、本作では主役になるというパターンの作品だ。
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