ダークナイト


 2022.7.27     ジョーカーの強烈なインパクトのある悪役感【ダークナイト】

                     
ダークナイト [ クリスチャン・ベール ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
バットマンは正義ではない。というメッセージを感じる作品だ。2回目ではあるが、やはりかなりインパクトがある。物語のスピード感というか、場面展開の速さが秀逸だ。序盤でこれでもかとジョーカーの恐ろしさをアピールしている。毎回思うのだが、なぜジョーカーがこれほどまで恐怖の象徴となったのか。部下がジョーカーを心酔し、ジョーカーの命令を忠実にこなすからだろうか。

マフィアを手玉にとり市民を恐怖のどん底に突き落とす。「ジョーカー」のカリスマ性がベースとなっているのだろうか。正義の象徴であるデントは、最後まで正義でいなければならない。デントが悪に傾いたことはジョーカーの考えるシナリオなのだろう。フェリーの乗客がもう一方のフェリーをお互い爆破しないのはしびれた。

■ストーリー
ゴッサム・シティーに、究極の悪が舞い降りた。ジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗り、犯罪こそが最高のジョークだと不敵に笑うその男は、今日も銀行強盗の一味に紛れ込み、彼らを皆殺しにして、大金を奪った。この街を守るのは、バットマン(クリスチャン・ベール)。彼はジム・ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)と協力して、マフィアのマネー・ロンダリング銀行の摘発に成功する。

それでも、日に日に悪にまみれていく街に、一人の救世主が現れる。新任の地方検事ハービー・デント(アーロン・エッカート)だ。正義感に溢れるデントはバットマンを支持し、徹底的な犯罪撲滅を誓う。資金を絶たれて悩むマフィアのボスたちの会合の席に、ジョーカーが現れる。「オレが、バットマンを殺す」。条件は、マフィアの全資産の半分。しかし、ジョーカーの真の目的は、金ではなかった。

ムカつく正義とやらを叩き潰し、高潔な人間を堕落させ、世界が破滅していく様を特等席で楽しみたいのだ。遂に始まった、ジョーカーが仕掛ける生き残りゲーム。開幕の合図は、警視総監の暗殺だ。正体を明かさなければ市民を殺すとバットマンを脅迫し、デントと検事補レイチェル(マギー・ギレンホール)を次のターゲットに選ぶジョーカー。しかし、それは彼が用意した悪のフルコースの、ほんの始まりに過ぎなかった……

■感想
バットマンの正体は何者か?そのことを知りたい市民、逮捕しようとする警察組織、付け狙うジョーカー。世間からの注目を集める存在であるバットマン。勝手に悪者を退治するバットマンを警察組織が許さないのはある意味正しいのだろう。

バットマンのおかげで治安がよくなっていたとしても…。バットマンの模倣犯が増えていくことも、警察組織が目をつける要因のひとつだ。ジョーカーはひたすらバットマンへの恨みを晴らすためにバットマンを狙い続ける。バットマンとは対象的な存在であるデントが登場したことで、よりバットマンが追い詰められていく。

強烈なのはデントが追い込まれていくシーンだ。自分のせいで恋人が死ぬ。結局は正義では恋人を助けることができない。デントが復讐の鬼となり、ジョーカーへと怒りを向けないことが少し違和感をもった。ジョーカーは自分を悪者とし、デントを正義の象徴とすることに固執する。

それはジョーカーの狙いを壊す意味もあるのだろう。デントが悪側に倒れたとなると、それこそジョーカーの思うつぼだからだ。人の正義感を試す物語であるため、その試験は市民にも問いかけられることになる。

囚人が乗り込んだフェリーと一般市民が乗り込んだフェリー。12時までに相手のフェリーを爆破する必要がある。どちらのフェリーにも相手を爆破するボタンがある。どちらが先にボタンを押すのか。市民側は犯罪者たちは死んでも良いと考えるかと思いきや…。

どちらもボタンを押すことができない。強烈なのは、囚人のひとりが自分がボタンを押すと奪い取り、そのまま海に投げ捨ててしまう場面だ。これこそがジョーカーの思惑とは大きく外れた場面だ。

冒頭からのスピーディーな展開はすばらしい。



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