コンティニュー


 2023.1.21     何度死んでも同じ一日を繰り返す【コンティニュー】

                     
コンティニュー/フランク・グリロ
評価:3

■ヒトコト感想
冒頭からロイは寝起きを襲われる。それが半端ない攻撃であるが、すべてをかわし反撃者を返討ちにするロイ。まるで次に何が起こるのかをすべてわかっているような動き。つまり、ロイは同じ日をひたすら何度も繰り返しているという流れだ。車をギリギリのところでかわし、ビルから飛び降りたとしても下にトラックがあり助かる。

ただ、そんなロイも突破できない場所がある。「オール・ユー・ニード~」のように死んだら最初からという流れだが、違うのはロイ自身はなぜ狙われているのかわかっていないことだ。コンティニューを繰り返すように、死んではもう一度チャレンジしクリアしていく。まさにゲームのようにひたすら練習し続けるしかない。謎解きの要素もありながらの物語となっている。

■ストーリー
朝目覚めた瞬間から謎の殺し屋に襲われ殺される元デルタフォース特殊部隊員のロイ。銃で撃たれることもあれば、爆弾で吹き飛ばされることもある。首を切られることもあれば、刃物で刺されることもある。ところが何度殺されても生き返り、同じ1日を繰り返している。死のループから抜けだすために何度もトライ&エラーを重ねる中、科学者である元妻からタイムループの鍵を握る極秘計画「コードネーム"オシリス“」の手掛かりをつかむ。

ロイは真実を暴くため、追われる身となった元妻(ナオミ・ワッツ)を救うため、今度は自ら殺し屋集団の元に出向き追い詰め、計画の責任者である軍属科学者ヴェンター大佐(メル・ギブソン)の居場所を突き止めていく。果たして、タイムループを抜け出し、明日にたどり着くことはできるのか―

■感想
ロイは目を覚ますと襲ってくる刺客たちを、朝のルーティーンのように退けている。ロイは何度も同じ朝を繰り返しているので、ゲームで言うところの同じ1面を何度もやっている感じなのだろう。ある程度すすんでいくと、どうしても突破できない場所がある。

大量の刺客に一気に襲い掛かられてしまう。どこにいても、誰といても最後の刺客にやられてしまう。まさにクリアできないゲームを何度も死にながらコンティニューしているような感じかもしれない。200回を超えたあたりから、少しづつ先が見えてくるのがポイントだろう。

面白いのは、同じ日を何度も繰り返しているため、時間は無限にあるということだ。刀をもつ刺客にどうしても勝てない。となると、ロイも刀で戦うため、達人から剣技を習おうとする。一日の数時間だが、徐々に上達していく。

最初は初心者として教えを請い、だんだんと上達していくと中級者としてレクチャーをうける。最後は達人同士の組手のような形となる。一日の数時間であっても、繰り返すことで上達する。気の遠くなるような回数かもしれないが、それをやりきらないと先にすすめない。まさにクリアできないクソゲーにチャレンジする感覚だ。

ロイがどれだけ先にすすんでも、根本を排除しなければクリアはできない。必死に頑張り、あと少しで死なずに一日を終えられるかと思った時、実は息子が裏では狙われていたとわかる。絶望的な感覚に陥り、今までの苦労はすべて無意味と悟ってしまう。

さながら、必死に練習を続けてきたルートが実は間違っていた、というような感じかもしれない。すべての謎を解き明かした際の、強烈なパワーはすさまじい。これだけ苦労したとしても、同じ一日のパターンは二度とやってこないので、スキルとしては意味がない。

難しいアクションゲームにチャレンジするような感覚だ。



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