チェ 28歳の革命


 2022.12.23     チェゲバラはアルゼンチン人だった【チェ 28歳の革命】

                     
チェ 28歳の革命
評価:2.5

■ヒトコト感想
チェ・ゲバラをメインとした作品としては「モーターサイクル・ダイアリーズ」がある。本作は主にチェの革命軍内での行動と戦いを描いている。印象的なのはチェが喘息もちで、戦いの最中にも喘息で苦しんでいたことだった。独裁政権と戦うためにチェはカストロと協力して革命軍を立ち上げる。

闘いではゲリラ戦を繰り広げているのだが、政府軍の士気の低さが印象的だ。政府軍の司令官は自己保身のみに必死となり、チェたちの革命軍は、農民が志願してくるほど士気がある。独裁政権がどれだけキューバ国民に嫌われていたのかがわかる。チェの兵士たちを統率する能力がすばらしく、規律を守らせる絶対的なカリスマ性があるのは間違いない。

■ストーリー
「チェ 28歳の革命」1955年7月、メキシコ。持病の喘息を抱えながらもラテン・アメリカの貧しい人々を救いたいと旅を続けるゲバラは、独裁政権に苦しむ祖国キューバの革命を志すフィデル・カストロと出会う。わずか82人で2万人のキューバ政府軍と戦うことを決意する。 チェという愛称で呼ばれ軍医としてゲリラ軍に参加したゲバラは、厳しい規律を守り平等社会のために戦うが、女性や子供たちには愛情をもって接し農民たちには礼をつくした。

やがて、その類まれなる統率力を認められ、司令官として部隊を率いるようになるチェ・ゲバラ。そして、カストロはキューバ革命の命運を担う戦いをゲバラの部隊に託す。それは「大都市サンタクララを陥落し、キューバを分断せよ!」という指令だった…。

■感想
チェ・ゲバラの革命を描いている。「モーターサイクル~」は、なんだかんだとカストロが目立っていた。本作ではまさにチェ・ゲバラのみを描いている。独裁政権に苦しむキューバ国民を救うために革命軍を立ち上げるチェとカストロ。

キューバ政府軍との圧倒的な戦力差があるにも関わらず、国民の協力と士気の高さにより戦いを優勢にすすめるのだが…。チェが国連で演説する場面は強烈だ。中南米の国々がアメリカに搾取されている。アメリカの横暴を正面切って批判するチェの胆力のすさまじさが描かれている。

チェは軍隊を率いて政府軍と戦う。ゲリラ戦がメインではあるが、地元民の協力の元で闘いに勝利していく。チェの軍隊を統制する方法は、徹底的な管理だ。民衆への略奪を許さず、違反し脱走した兵士を見つけた際には容赦なく処刑している。

民衆の中には読み書きすらもできない状態ではあるが、軍に志願する者もいる。印象的なのは、チェは教育を重視し軍の内部で読み書きできない者たちに学校のようなものを用意する場面だ。読み書きできない兵士には常にノートとえんぴつを持ち勉強するように伝えている。

大都市サンタクララでの戦いは強烈だ。政府軍の大軍に対して、革命軍は士気の高さで圧倒している。政府軍の指揮官たちは、逃げることだけを考えている。兵士のひとりが逃げ出そうとしたり、革命軍の脅しにあっさりと投降したり。政府軍たちの逃げ腰具合がすさまじい。

こうなると、民衆の支持を受けているだけに革命軍が圧倒的に有利となる。続編があるのだが、軍事的な戦いから政治的な戦いへとシフトしていくのだろう。チェの革命に対する強烈な熱量を感じる作品だ。

アルゼンチン出身のチェが、キューバのために尽力する作品だ。



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