2022.8.16 ライバックが列車で大暴れ【暴走特急】
暴走特急 [ エリック・ボゴシアン ]
評価:3
■ヒトコト感想
「沈黙の戦艦」でテロ組織を壊滅させたライバックがふたたび大活躍する。今回は最新人工衛星がのっとられ、ターゲットに電磁波を送り込み破壊の限りをつくされる恐れがある。肩書としてはただのコックのライバックではあるが、実は伝説の工作員だった。パターンとして列車の中でテロ組織が何者かにやられていく。
誰だ?と調べた結果、実はライバックだったと判明する。テロ組織内にもライバックの名前は轟いており、自分の教官だったという者までいる。本作のポイントはテロ組織のボスのサイコパス的な考え方だろう。コンピュータを制御しペンタゴンを潰すと豪語する。いつもの幹部の面々をバカにするような行動の数々。前作のテロリストと同様に悪役のキャラが強いと作品にメリハリがついて良い。
■ストーリー
核兵器を操るハイテク・テロ集団。全世界に破滅の危機迫る!ロッキー山脈を走る豪華列車が、ハイテク・テロ集団に乗っとられた。一味はコンピュータを駆使して、レーザー砲搭載の最新型人工衛星を掌握、標的にペンタゴンとその原子炉をあげてきた。乗客、政府にとって唯一の頼みの綱は、偶然列車に乗り合わせていた元秘密戦闘員ケイシー・ライバック。核爆破のタイムリミットが刻一刻と迫る中、ライバックは絶体絶命の危機を乗り切れるのか?
■感想
豪華列車がテロリストに占拠される。ハイテクテロ集団は、人工衛星をのっとりレーザーで地球上のどこでも狙えるようになる。まずこのテロリストたちが強烈だ。移動している旅客機をあっさりとせん滅し、最終的なターゲットはペンタゴンの地下にあるとされる原子力施設だった。
軍の幹部たちは、テロリストの要求に右往左往する。このシリーズの定番として、常に軍やCIA側はテロリストの作戦に対してひたすら後手にまわっている。テロリストに手も足もでないというのが正しいのだろう。
テロリストの誤算は、豪華列車にライバックがいたことだった。ただのコックでありながら、テロ組織に対して立ち向かう。シリーズの定番として、ライバックは列車内の様々な機器や料理の材料を使ってお手製の爆弾や発火装置を作ってしまう。
それらを効率的に使い、テロ組織にひとりで立ち向かっている。列車のポーターを手下に従えて、圧倒的に不利な状況を打破する。ライバックが小さなノートパッドのようなものを持っており、それをテロリストが調査しライバックの正体がバレるというのは時代を感じさせる描写だ。
テロリストの圧倒的な悪の感じが良い。手始めに中国を攻撃して細菌工場を爆破している。アメリカの人工衛星からのレーザー光線で中国の施設が破壊されたとしたら、戦争に突入する危険があるのだが、そんなことは一切気にしない。
根底にあるのはただ世界をめちゃくちゃにしたい。自分の力を誇示したいというだけなのだろう。ライバックとの対決では武闘派のテロリストと硬派な対決をしている。「沈黙の戦艦」ほどテロリスト側での二転三転があるわけではないが、テロリストのインパクトはすさまじい。
やはりこの手の作品は、悪のクオリティがすべてなのだろう。
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