ブレット・トレイン


 2023.7.8    タランティーノ作品風な血みどろと混沌【ブレット・トレイン】

                     
ブレット・トレイン [ ブラッド・ピット ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
ギャングが登場し殺し合いの連鎖が続く雰囲気はどこか「スナッチ」や「パルプフィクション」に近いものがある。変に日本を意識した展開はまさに「キルビル」的な雰囲気もある。タランティーノ作品のような血みどろの展開がある。日本の新幹線?車内で巻き起こる殺し合いの連鎖。それぞれのキャラクター個別のエピソードがあり、ラストですべてのエピソードの繋がりが描かれている。

ブラピや真田広之が登場し、あちこちでアメリカ人が想像する日本が描かれている。あるひとりの男と大金の入ったブリーフケースを巡る争い。ボリビアの2人の殺し屋。カーバーの代理人であるレディバグ。ホーネットという毒を使う女殺し屋。子供を人質に取られた日本人。様々な人物が新幹線内部で殺し合う。

■ストーリー
謎の女性から電話越しにブリーフケースを奪うよう指令を受けた、世界で最も運の悪い殺し屋レディバグ。気合たっぷりに<東京発・京都行>の超高速列車に乗り込むが、それは彼にとって人生最悪な旅の始まりだった。次々と乗りこんでくる殺し屋たちが、全く身に覚えのないレディバグに襲い掛かる。簡単な指令を果たしてすぐ降りるだけの任務のはずだったのに…。時速350kmの車内で繰り広げられる、決死のバトル!予期せぬ最悪が折り重なり、終着点・京都に向けて<絶望>が加速する―。

■感想
レディバグが主人公なのだろう。それぞれ目的をもった殺し屋たちが車内にやってくる。特に印象的なのはボリビアの2人だ。スーツを着た黒人と白人のコンビ。軽妙な語り口でターゲットを始末していく。死神の依頼により息子とブリーフケースを手に入れたのだが…。

少しの油断で、気づいたら息子が目から血を流して死んでいた。二人はそこまで焦ることなく、死神になんて報告するかの言い合いをしたりもする。ほぼすべての登場人物の目的が微妙にぼやかされている。シリアスなのは息子を人質にとられているキムラだけだ。

謎の女は恐ろしい。キムラを脅しながら、何もかもわかった風な口をきく。最終的には死神の娘だというのがわかるのだが…。毒物を使うホーネットやレディバグと鉢合わせした瞬間に殺しにくる男など、混沌としている。

中盤まではまだキャラクターたちの関係がはっきりしないが、死神が登場しすべてのからくりが判明する。そこからは生きのこった者たちで、すべての問題の元凶である死神との対決を目指す。キムラとボリビアの殺し屋など、ついさっきまで銃撃戦を繰り広げていたのだが…。

おかしな日本描写が続く。そして、真田広之のキャラクターの妻として登場してくる女は、明らかに純日本人ではない。アメリカ人がわかりやすく連想する日本例があちこちに満ちている。ラストでは新幹線の激しい事故描写がある。結局主人公であるレディバグはどんな状態でも生き残る。

血みどろの戦いは、妙に面白な展開となっている。刀での戦いや、アクロバティックな展開など、日本人からするとあまりにぶっ飛んでいる日本人像に違和感を覚えてしまう。

一瞬、タランティーノ作品かと思ってしまった。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp