2022.10.7 変に近代化された辺境の村【バクラウ 地図から消された村】
ローマ発、しあわせ行き
評価:3
■ヒトコト感想
不可解な作品だが、ラストでやっとすべての意味がわかってくる。バクラウという小さな村に悲劇が訪れる。序盤では村の長老の葬式が行われる。人里離れた小さな村だが、村人はスマホを持ちLEDが光る巨大モニター付きの車があったりと、違和感満載だ。今の時代どんなに辺鄙な村でもこんな感じなのだろう。
周辺の村人が皆殺しにされており、グーグルマップで見るとバクラウの存在が消えている。謎のふたりのライダーがツーリングにやってくると、村の中心に携帯の電波を遮断する機器を設置していく。明らかに意図して村を孤立させようとしている。そこから、何者かが村を全滅させようとしていることに気づく。バクラウは常に外部から狙われてきた歴史があるのだろう。それらしい描写もあった。
■ストーリー
村の長老である老婆カルメリータの死をきっかけに故郷の村バクラウに戻ったテレサ。しかしその日から村では不可解なことが次々に起こり始める。突然、村はインターネットの地図上から姿を消し、上空には正体不明の飛行物体が現れる。村の生命線である給水者のタンクに何者かが銃を撃ち込み、村外れでは村人が血まみれの死体で発見される。めったに現れないはずの余所者の来訪、それは血で血を洗う暴力と惨劇の幕開けだった。
■感想
正体不明の組織に村人たちが次々と殺されていく。グロテスクな映像が目白押しだ。そもそもバクラウという村はどこか異質な雰囲気が漂っている。給水車のタンクが何者かに銃撃されたり、村外れには常に外部からの敵を監視する用意がされていたり。
冒頭で大量の棺桶が輸送されていたりと思わせぶりな雰囲気が強い。バクラウが地図から消えた、という仕組みは謎だ。長老が死んだ村に政治家が投票してもらうためにやってきたのだが…。実は村を皆殺しにしようと考えていた。
村を皆殺しにしようとする組織はどこか楽しみながら殺人をしている感がある。「ザ・ハント」での狩りを楽しむセレブと同じ雰囲気なのだろう。最新の武器をもちドローンを飛ばして村を偵察する。バクラウ自身をこの世から消すためにやってきた組織。
敵は10人以下だが無垢な村人たちであればあっさりと制御できると考えたのだろう。バクラウが外部からの攻撃を跳ね返してきた歴史があり、村人たちが総出で武器をもって相対することができる。驚きなのは村人たちが強烈に残虐性があるという部分だ。
バクラウへ襲撃にやってきた者たちは、村人たちの反撃にあいあっさりと皆殺しにされてしまう。襲撃者のボスは長距離からスナイプするのだが、村人に捕まってしまう。政治家がバクラウにやってくるとすべての計画が失敗したと気づく。
村人たちに襲われる政治家。冒頭から奇妙な雰囲気を醸し出していたバクラウ。ブラジルのどこかの村らしいのだが…。変に近代化されているのが恐ろしい。人種も多種多様で、ごく普通の村人がライフルをもち相手をぶち殺す場面は強烈だ。
グーグルマップから消された理由は最後まで不明だ。
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