バックドラフト


 2022.7.12      密閉された部屋での火災の恐怖【バックドラフト】

                     
バックドラフト [ カート・ラッセル ]
評価:3

■ヒトコト感想
生き物と化した炎が人々に襲いかかる。かなり昔の作品だが、火災系の映画といえば本作という名作だ。密閉された部屋で火災が発生した際に、急にドアを開け酸素が注入されることで発生するバックドラフト。本作でその現象を知ったという人も多いことだろう。建物の中では、突如として炎が襲いかかってくる恐れがある。

火災系の映画としては最近「オンリー・ザ・ブレイブ」という山林火災の実話を元にした作品を見た。山林火災も恐ろしいのだが、バックドラフトが発生するのは建物火災だけだというのがよくわかる。誰が意図的にバックドラフトを発生させているかというミステリアスな要素があるのも本作のポイントなのかもしれない。

■ストーリー
運命に導かれた男たちの思惑が交差するとき、生き物と化した炎が襲いかかるー。

■感想
何をやっても長続きしない弟と、消防士として働く兄。この兄弟が物語の中心だ。消防士はヒーロー的なイメージがあるのだろう。多少乱暴者であっても、火災で苦しむ人を助けるヒーロー的な要素がある。一方で危険な仕事なので命を落とすこともある。

冒頭では兄弟の父親がバックドラフトにより勤務中に殉職してしまう。特徴的なのは、バックドラフトが発生し、それにより火災の勢いで死亡する事故が多数発生しているということだ。何者かの放火ということで、調査がはいるのだが…。

火災の調査を行うのがロバートデニーロが演じる人物だ。火災原因を調査する際に、すでに逮捕された放火魔に話を聞きに行ったりもする。このあたり伝説の犯罪者に話を聞く「羊たちの沈黙」的なイメージなのだろうか。

放火魔を探す部分と、純粋に危険な火災に挑むというのがある。兄弟でのちょっとした反目や、兄が別居しており、そのことによるトラブルなどもある。消防士としてのプライドや、ヒーロー意識の強さなどもあるのだろう。自己犠牲の精神でヒーローとなるのが賛美される典型的な流れだ。

バックドラフトを意図的に起こしているのは何者なのか。消防士の立場を守るための動きなのか、それとも…。弟はもしかしたら兄が連続放火犯の犯人ではないか?という疑いが強くなる。弟からしたら正義のヒーローであった兄が、酒浸りとなり家族と別居していることから自暴自棄になったのでは?という思いが強くなる。

結局、新犯人は判明するのだが…。ところどころで発生するバックドラフトの描写はすさまじいインパクトがある。扉の先の部屋から煙が染み出し、扉を開けた瞬間に炎が襲いかかってくる。

バックドラフトの映像はすさまじい。



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