2023.12.30 圧倒的なグロテスクさ【悪の教典】
悪の教典
評価:3
■ヒトコト感想
原作はすでに読んでいる。その時の印象で言うと、教師の蓮実が強烈に魅力的に描かれいてた。IQが高く、どんな悪事を働いたとしても自分の状況を隠しながら平穏な日常を過ごす。本作では伊藤英明が蓮実役を演じているのだが、サイコパスの印象が強い。IQが高いというよりもさわやかな笑顔の裏に隠された狂気が非常に恐ろしく感じた。
半笑いの状態でショットガンをぶっ放す。生徒たちが恐怖におののき逃げ回っている状態であっても、躊躇することなく生徒を撃ち殺している。ラストの展開がどうなるのかは忘れていたのだが…。蓮実がここから復活するために、精神に異常をきたした人物を演じているのが強烈なインパクトがある。
■ストーリー
蓮実聖司は生徒から“ハスミン”という愛称で呼ばれ、絶大な人気を誇る高校教師。学校やPTAの評価も高く、教師の鑑とも呼べる彼の正体は生まれながらのサイコパスだった。
■感想
序盤は蓮実のミステリアスな感じがよかった。さわやかで女子生徒にも人気のある英語教師。そのさわやかな笑顔の裏には絶対に何かあると予想できるのだが…。案の定、蓮実は様々な犯罪を犯しており、それを高いIQにより巧妙に隠している。
生意気な高校生たちが蓮実の策略にはまりやられていくのは少し快感でもある。序盤の蓮実はどちらかと言うと魅力的に描かれている。それが、後半となると様変わりする。蓮実の経歴や過去が描かれたあたりから、ただのサイコパスの印象が強くなる。
今まで証拠を残さないように犯してきた犯罪が、同僚教師を殺害するあたりからずさんになってくる。電車の車内でブラックジャックのようなもので殴り失神させ、首つり自殺に見せるなんてのはさすがにやりすぎだろう。警察に捜査されれば、一発でバレる気がするのだが…。
高校の内部でショットガンを乱射する場面の前では、無計画に女子高生を飛び降り自殺に偽装しているのだが…。屋上に別の女子高生が入ってくると、その生徒の首を折って殺害している。無計画すぎる流れだ。
ラストの高校内部での皆殺しのシーンはグロテスクさが満載だ。特に、蓮実に対抗しようとするアーチェリー部の生徒との対決では残酷な結果となる。生徒を皆殺しにするために徹底しており、ひとりも逃さないという蓮実の決意のようなものが感じられる。
ラストでは生徒の機転をきかせた行動により、生き残る生徒がでてくる。ここから、蓮実の犯罪が明らかとなるのだが…。蓮実は自身を精神異常とみなされるための演技をする。それで罪を軽くして次の機会をうかがっているような流れだ。
グロテスクな作品であることは間違いない。
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