マイ・ニューヨーク・ダイアリー


 2023.9.27    あこがれのNYで奮闘する小説家志望の女子【マイ・ニューヨーク・ダイアリー】

                     
マイ・ニューヨーク・ダイアリー [ マーガレット・クアリー ]
評価:3

■ヒトコト感想
作家を夢見るジョアンナが、ニューヨークで奮闘する。出版社で働くことになり、女上司マーガレットの元で編集アシスタントとして働きながら小説家になることを夢見るのだが…。マーガレットは厳しい上司で、常にマーガレットに振り回され、出版業界の厳しさを味わうジョアンナ。雰囲気は「プラダを着た悪魔」に近いのかもしれない。

サリンジャーへのファンレターの返信を担当するジョアンナ。定型文を返すことが気になり、オリジナルの返事を書くことにするのだが…。出版業界でジョアンナは花開いていくかと思いきや…。小説家になるという夢を諦めきれずに、最後には出版社を辞めてしまう。ニューヨークで働くことを夢見るミーハーな女子かと思いきや、しっかりとした考えをもっていた。

■ストーリー
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。しかし、心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。

■感想
ジョアンナは小説家になることを夢見てニューヨークへ行く。憧れのニューヨーク。華やかな都市で出版業界で働く。ジョアンナと同じような夢をもつ女性は多いが出版社は狭き門だ。そこに面接で合格したジョアンナは編集アシスタントとして働くのだが…。

序盤は編集アシスタントとしての戸惑いや、マーガレットの厳しい要求に答えることに必死となるジョアンナが描かれている。ニューヨークでは同じく作家志望の男と同棲し、ふたりで夢を追いかけ続ける。お仕事ものとしては「プラダを着た悪魔」に雰囲気が近い。

出版社の幹部たちだけがランチをしている場に偶然通りかかったジョアンナ。呼ばれて同席するのだが…。そこで立場の違いを理解する。さらには、同席していた若い女性が実は有名作家で、何よりも小説を書くことに心血を注いでいたと言われる。

ここで、ジョアンナは自分の夢を思い出す。出版社で働くことに必死となりすぎており、小説家となることを諦めているように…。ジョアンナの心境はよくわかる。夢を諦めるタイミングというのは確かにあるのだが…。

ジョアンナは出版社で様々な問題を引き起こす。サリンジャーのふりをしてファンレターの返事を書いていたことがバレて大問題となる。あっさりと首になるかと思いきや…。ジョアンナの前向きで相手に寄り添う考え方が作家たちに受けていく。

最終的にはマーガレットに認められ頼られることになる。ここからジョアンナの編集者としての未来が開けたかと思えたタイミングで…。ジョアンナは男と別れ同棲を解消し、そして出版社を辞める。この怒涛の流れが強烈だ。

作家志望の女性の波乱万丈の日々だ。



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