ミスター・メルセデス 下 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:3
スティーヴン・キングおすすめランキング
■ヒトコト感想
上巻では犯人の異常さと引退した刑事ホッジズの周辺が描かれていた。犯人が暴走に使ったベンツの持ち主である女性は、マスコミの報道攻勢で病み自殺してしまう。その妹である女性とホッジズが親密になり犯人逮捕のために動き出すのだが…。犯人側の異常さが際立っている。
母親と二人暮らしなのだが、それまでの異常な人生が語られている。事故で障害児となった弟の面倒を見ることができなくなった母親は、幼少期の犯人をけしかけて弟を階段から突き落とさせたりもする。犯人の母親は犯人が家で作っていた毒入りの肉を食べて死んでしまう。こうなると犯人には守るものが何もなく、自爆テロを計画することになる。何も守るものがない無敵の人は恐ろしい。
■ストーリー
暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終わった。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。「こいつをこの手で捕らえてやる」。決意したホッジズは、孤独な調査を開始する――。
■感想
犯人はホッジズを観察している。ホッジズが女と仲良くしているのを見て激怒する。下巻の序盤では、犯人はまだ自分の姿を隠しつつホッジズを殺すことを目的としている。ホッジズたちが葬儀のために姪たちといる中で、犯人はホッジズの車に細工をする。
犯人はITの能力が高く、さらには爆弾の知識があり様々な工作の才能がある。これによりまるで大統領暗殺のような入り組んだ仕組みでホッジズは狙われるのだが…。不運にもホッジズは助かり、恋人だけが死ぬことになる。
犯人の異常さはエスカレートしていく。良いとは言えなかった母親と犯人の関係は、あっけなく終わる。犯人がひそかに用意していた毒入りの肉を勝手に母親が食べて死んでしまう。意図せずして母親を事故で亡くす。こうなると母親の足かせが亡くなった犯人は、自爆テロをいとわない無敵の人となる。
そして、犯人が選んだ次のターゲットは若い女性ばかりが集まる人気ボーイズグループのコンサート会場だった。。この会場へ向かうため周到な準備をする犯人の決意はすさまじい。
ラストの、犯人を阻止するためにコンサート会場へ向かうホッジズとホリーたちのドキドキ感はすさまじい。会場の警備員を頼りにすると、犯人の周りで何か少しでもおかしな動きがあれば気づいてしまう。そして、たちまち犯人は爆破のスイッチを押すことになる。
犯人に異変を気づかれずにこっそりと近づいて爆破を阻止するしかない。その役割は周りの若い女性に唯一紛れることができるホリーなのだが…。これまたホリーが少し異常な雰囲気があるのが特徴かもしれない。
ラストのドキドキ感はすさまじい。