アイアムアヒーロー


 2024.1.27    ZQNはただのゾンビだ【アイアムアヒーロー】


                     
アイアムアヒーロー 花沢健吾
評価:3

■ヒトコト感想
大昔に原作漫画を少しだけ読んだことがある。簡単に言うとゾンビ映画なので、結末までは描かれないのは想像していたのだが…。想定外にZQNをしっかりとグロテスクに描いている。英雄のビジュアルがまさに漫画そのままなことに驚いた。突然ZQNが発生し次々と噛みつかれて人々はZQNになっていく。何がなんだかわからない世紀末感が良い。

ゾンビ映画にありがちな展開ではあるが、日本の日常でもしゾンビが発生したらこうなるだろうなぁ、という展開が良い。アウトレットモールの建物の屋上に避難していた者たちがひとりのZQNにより全滅させられる描写は強烈だ。非常時での人間同士のちょっとしたいさかい。もう少し、半ZQNであるひろみが活躍してもよかったのではないだろうか。

■ストーリー
鈴木英雄(大泉洋)35歳。職業:漫画家アシスタント。彼女とは破局寸前。そんな平凡な毎日が、ある日突然、終わりを告げる…。徹夜仕事を終えアパートに戻った英雄の目に映ったのは、彼女の「異形の姿」。一瞬にして現実の世界は崩壊し、姿を変えて行く。謎の感染によって人々が変貌を遂げた生命体『ZQN(ゾキュン)』で街は溢れ、日本中は感染パニックに陥る。標高の高い場所では感染しないという情報を頼りに富士山に向かう英雄。

その道中で出会った女子高生・比呂美(有村架純)と元看護師・藪(長澤まさみ)と共に生き残りを懸けた極限のサバイバルが始まった…。果たして彼らは、この変わり果てた日本で生き延びることが出来るのか。そして、英雄は、ただの英雄(ひでお)から本当の英雄(ヒーロー)になれるのか! ?

■感想
平凡な日常。漫画家のアシスタントをしている英雄の日常はZQNの発生により大きく変わっていく。ZQNに噛まれるとZQNになるのは既存のゾンビ映画と同じ。頭をつぶさないと動き続けるのも同じ。猟銃を持つ英雄がZQNと戦うことになるのもなんとなく想定通りだ。

ただ、一緒に逃げることになった女子高生のひろみが、途中でZQNに噛まれていたと気づく。本当ならば最後までか弱いひろみを守りながら逃げるというのが定番なのだが、ひろみがZQN化していく…。ZQN化が半分というのが良い。

よく考えたらこのパターンは「鬼滅の刃」の禰豆子と同じだ。禰豆子は鬼に噛まれながら半分鬼となり、鬼の力を手に入れて鬼を倒している。ひろみもZQNに噛まれてはいるが、半分ZQNで人間離れしたパワーをもっている。

しょっちゅう眠っている部分も酷似しており、人間からZQNだと恐れられるのも定番だ。ただ、このパターンは本作の原作の方が先だ。言うなれば鬼滅の刃の方がパクったということなのだろう。本作でのひろみは禰豆子ほど活躍することはない。ほとんど眠っているため英雄の足かせとなっているだけだ。

結局はZQNからどのように逃げるかがすべてだ。ラストではZQNの大群との対決が待っている。ここで、どれだけ銃の弾丸をもっていたのかわからないが、すべてのZQNを英雄が倒している。無事に生き残った藪とひろみとで車に乗って脱出しているのだが…。

ここからどうなるのかは描かれていない。映像的にグロテスクな場面が続く。特に気持ち悪いのは太ったZQNの頭を銃で撃ったのだが、半分頭がちぎれた状態で向かってくるときの、頭の位置からピロピロと出ている赤い物体が気持ち悪かった。

すさまじくグロテスクなゾンビ映画だ。



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