夜は短し歩けよ乙女


 2019.6.14      よくあの原作をアニメ化したなぁ【夜は短し歩けよ乙女】

                     
夜は短し歩けよ乙女 [ 星野源 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
原作は読んでいるのだが、あの原作をどのように映像化するのか。絵柄は原作の表紙をそのまま利用している。もともとの原作がちょっと不思議な文学オタクを描いているので、京都の大学院生のへんてこな仲間たちが描かれており、この不思議な世界をよくアニメ化したなぁ、というのが正直な感想だ。

物語としてまともに成立させるのは難しい。オタクな先輩が後輩である黒髪の乙女に恋をする。合間には、願いが叶うまでパンツを履き替えないパンツ先輩や、富豪の李白、実行委員長などの様々な面々が登場してくる。それら珍事件に巻き込まれ、独特な映像で物語を描いている。オタク男の戯言と言ってしまえばそうかもしれない。この雰囲気が好きな人には良いのかもしれない。

■ストーリー
クラブの後輩である“黒髪の乙女"に思いを寄せる“先輩"は今日も『なるべく彼女の目にとまる』ようナカメ作戦を実行する日々を送っていた。空回りし続ける“先輩"と天真爛漫に歩き続ける“乙女"。京都の街で、個性豊かな仲間達が次々に巻き起こす珍事件に巻き込まれながら、不思議な夜がどんどん更けてゆく。外堀を埋めることしかできない“先輩"の思いはどこへ向かうのか! ?

■感想
原作のイメージでは、黒髪の乙女が究極に可愛らしいという印象があった。それは容姿が頭の中で自分好みに補正されていたせいだろうが、性格や言葉にかなりやられたイメージだった。それがアニメ化されたとなるとどうなるのか…。

予想通り、原作の表紙と同じような絵柄のキャラクターが動き回る。肝である黒髪の乙女は…。あまりピンとこなかった。黒髪の乙女がOBたちに気に入られるためにへんてこな踊りを踊るのだが…。実際にアニメ化されると強烈に気持ち悪く見えてしまった。

京都の町で繰り広げられる奇妙な物語。森見登美彦の濃密なギャグとマニアックな話題に終始している。京都の大学院でひたすらモテない男が、気持ち悪い妄想を繰り広げているイメージだったが、アニメ化され多少ポップな雰囲気にやわらげられている。

そもそもの原作がどう説明してよいのかわからない物語なだけに、多少強引に原作を変更して、ひとつの筋の通った物語としている。なるべく彼女の目に止まるように偶然を装って黒髪の乙女と出会う先輩。今でいうところのストーカーだ。

本作は黒髪の乙女やそれを追いかける先輩以外のキャラの面白さがポイントなのだろう。パンツ先輩は、恋した女性を探すために、へんてこな劇をゲリラ的に上演したりもする。それを取り締まる実行委員たち。そこから、見つけ出した恋するあの人は…。

実は男だったというショッキングなオチ。さらには、男でも構わないとまで言うパンツ先輩。周りのキャラクターのぶっ飛び具合が、黒髪の乙女や先輩の存在感を薄くしている。ラストでどうにか風邪絡みの流れで持ち直しているのだが…。

よくあの原作をアニメ化したなぁ。



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