闇金ドッグス5


 2020.6.11      沼岸の手詰まりっぷりは衝撃的だ【闇金ドッグス5】

                     
闇金ドッグス5
評価:3

■ヒトコト感想
闇金ドッグスは金に翻弄される一般人のエピソードが強烈に印象に残る。本作でも沼岸という人生の袋小路に入り込んだ中年男が強烈だ。闇金側の司が偽装結婚した相手の借金に苦しむというちょっとした変化はあるのだが、メインは沼岸の悲惨な状況だ。沼岸が生活するためにラストファイナンスへ金を借りに来る。生活保護の詐欺にだまされたりと沼岸の状況は悲惨でしかない。

それを知った司たちは沼岸に同情し始め、いつものように貧困ビジネスの詐欺師相手に戦いを挑む。本シリーズはラストファイナンスの安藤が法律の知識を利用して相手との厳しい駆け引きに勝利するというのもひとつの見どころだ。無事に詐欺師から金をせしめたとしても…。沼岸は袋小路から抜け出すことはできない。

■ストーリー
女性債務者から、絶大の信頼を得ているラストファイナンスの須藤司(青木玄徳)は、かつて、街金から金を騙し取る為に、結婚離婚を繰り返し、戸籍上の名字を忘れてしまっている。そんなある日、銀行系のローン会社から、電話が入り、「あなたの奥様が借金んをして、飛んだ。夫である貴方には支払いの義務がある」と。困り果てている司には、にべもなく、社長の安藤忠臣(山田裕貴)から、新規の客をあてがわれる。その客は、大手電機メーカーの下請け会社でエアコンの設置業者の契約社員として働く、沼岸(菅原大吉)。

ブラック企業では人扱いをされず、冷遇のなか必死にしがみついている。それは、ひとえに認知症を患っている母の為。だが、薄給で生活費もままならず、致し方なくラストファイナンスを利用している。沼岸の状況は悪くなるばかりで、理不尽な理由で急に解雇されてしまう。困った沼岸は、生活保護の申請をするも断られ、無職になったので、司から追加融資も受けられずにいた。そんな沼岸の前に、NPO法人で貧困ビジネスを営む五条(荒木宏文)が現れ、申請が通った生活保護費を不正に搾取されてしまう。母の病も進行が速くなり、生活は究極に困窮する。藁をもすがる思いで、沼岸はラストファイナンスを再び訪れた。

■感想
闇金ドッグス3は過去に見たことがある。本シリーズでは安藤が絶対的な力をもつため、部下である司が少し間抜けに立ち回るというのがある。司が闇金でありながら金の面で借金に苦しんだり、他者に騙されたりする。そして、安藤に泣きつくが安藤は自分で処理しろと言う。

この流れが定番だが、最後の最後には弱者を騙して金を得ている詐欺師たちをはめこみ、安藤が金を手に入れるという流れがある。今回も司が偽装結婚した相手の借金に苦しむというのがある。結婚相手が相当にブサイクなのだが、司だけがひとり美女だと言うちょっとしたブス専といのが良い。

本作のメインは沼岸だ。明らかにできない中年オヤジだが、ボロボロのアパートで高齢の母親と二人ぐらし。この母親が半分認知症を発症しており、沼岸は母親の世話に奔走している。仕事ではミスをし続け、家では母親の面倒を見る。ある日には母親が徘徊してしまい、必死に探し続ける。

ミスと遅刻の連続から沼岸は仕事をクビになってしまう。公的なケアを受けようにも、母親は障害者認定はしてもらえない。すでに八方ふさがりな沼岸は生活保護を受けようとするのだが…。

沼岸は普通にしていては生活保護を受けられないため、貧困ビジネスに頼ることになる。そこで無事、生活保護の申請を受理されたのだが…。半分をとられてしまうと知り激怒するのだが…。社会的弱者は食い物にされるしかない。そこから沼岸は金に困りラストファイナンスへと向かうのだが…。

沼岸が認知症の母親に苦労し、金にまで苦労する。家の電気を止められ、どうにもならない状態になる。司が沼岸を助けるために貧困ビジネスから金を奪い取るのだが…。沼岸が救われることはない。

沼岸の境遇は思わず見入ってしまう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp