山猫は眠らない6


 2019.2.14      無人ドローン戦闘機で狙撃 【山猫は眠らない6】

                     
山猫は眠らない6 裏切りの銃撃 [ チャド・マイケル・コリンズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
このシリーズの売りである長距離射撃は健在だ。主人公は息子のペケットに変わってはいるが、基本は変わらない。長距離射撃を行う上で、一瞬の躊躇が命取りとなる。テロ組織を排除するためにスナイパーとして射撃を繰り返す。「アメリカンスナイパー」ほど緊迫感はなく、どこかアニメ的でもある。

シリーズとしては毎回最新の機器を登場させている。今回は無人のドローン型戦闘機により敵をミサイル攻撃したりもする。その反面ネットワークをハッキングされ、逆に味方の位置が敵に知れ渡り、長距離から狙撃されたりもする。物語のピークはペケットが長距離からログハウスに襲い掛かる敵たちを次々と撃ち殺すシーンだろう。それは、人質をとられたとしても、変わらない。

■ストーリー
中東の過激派組織と対峙する米海兵隊のブランドン ・ベケット(チャド・マイケル・コリンズ)とリチャード・ミラー(ビリー・ゼイン)に、コロネル大佐(デニス・ヘイスバート)から新たなミッションが与えられた。それは、ジョージアから西ヨーロッパへ天然ガスを輸送する “パイプライン"をテロの脅威から守る、というものだった。だが、同地域で任務に当たっていた米兵が、敵のスナイパーによって射殺される。

ブランドンらは「我々の位置情報を敵に漏洩している裏切者がいる」と疑い始める・・・。

■感想
パイプラインをテロ組織から守れ。実際に発生した事件を彷彿とさせるような流れがあるが、ペケットはひたすら敵を殺し続ける。冒頭では、テロ組織に捕らえられたアメリカ人が処刑される場面で、狙撃によりアメリカ人を助けようとするのだが…。子供が処刑人として登場したことで躊躇するペケット。その結果、犠牲者がでることに。

狙撃を躊躇することはスナイパーとして致命的だというのが前半の流れとなる。そこからペケットは生まれ変わり、独自の行動をとるようになる。

ペケットは地元であるジョージアの軍と協力しながらテロ組織に対抗しようとする。最初はドローンから情報が洩れているとは知らずに戦っていたが、仲間が狙撃され続けると裏切り者がいると考え始める。そこからペケットの孤高の戦いが始まる。

テロ組織と交渉したり、単身で乗り込もうとしたり。スナイパーとしての能力の高さを証明する場面はあるのだが、「アメリカンスナイパー」と比べると、緊迫感が少ない。どこかアクションのついでに長距離狙撃をしているように思えてしまう。

最新兵器である無人ドローン戦闘機。熱源を察知すると遠隔操作でミサイルを発射する。敵からすると脅威だが、そのネットワークをハッキングすることで、アメリカ兵の居場所をすべて把握することができる。

最初はハッキングなんてありえないと否定していた政府の高官たちも、ペケットの予測が事実と知ると、そこからは最新テクノロジーに頼らない純粋な狙撃勝負となる。

シリーズではひりつくような緊迫感あふれる狙撃戦があるのだが、本作はそうではなかった。

シリーズとしての役割は果たしている。



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