2019.8.21 抜け出せない死のループ【トライアングル 殺人ループ地獄】
トライアングル 殺人ループ地獄
評価:3
■ヒトコト感想
同じ瞬間を繰り返す系の物語だ。似たような作品として「LOOP/ループ 時に囚われた男」がある。それも同じ瞬間を繰り返し、過去の自分や未来の自分と出会うことになる。本作でも、最初は意味不明だが、物語がすすむにつれて謎の殺人鬼が自分であることに気づく。
この手のパターンは仕組みに気づいた主人公がループを抜けるために違った行動をとる。本作でもそのような行動をとろうとするのだが…。結局のところ、それすらも未来の自分が行っていたことだった。強烈なのは、ヨットで漂流した仲間の死体が同じ場所に大量に存在していることだ。つまり、もう何度も同じことを繰り返し、周りには同一人物の死体だらけとなる。最後もループは続くという恐ろしい結末となっている。
■ストーリー
生き残った彼女が見たものは、逃げ惑うもう一人の自分だった・・・友人に誘われ、ヨットセーリングに行くジェス。しかし、沖に出た途端、嵐に襲われヨットもろとも大海原へ投げ出されてしまう…。命からがら助かった5人の前に、突然豪華客船が現れる。救助を求めて乗り込み船内を調べてみると、たった今まで人がいた形跡はあるものの、なぜかその姿は全く見えなかった。
手分けして船内を探索していると、突然、覆面をした謎の人物が現れ、抵抗する間もなく一人、また一人と命を奪われていく…。わけの分からぬまま逃げ惑うジェス。ただ一人生き残り、船内からやっと甲板へと逃げ出した彼女がそこで見たものは、転覆したヨットから再びこの客船に向かって助けを求める自分たちの姿だった。今、体験したことは夢なのか?それとも現実なのか?そして彼女はこのループする船から無事に脱出できるのか!?
■感想
冒頭から子供を虐待するジェスが描かれている。そこから突如としてヨットセーリングに向かうジェス。この間は物語の肝なので描かれていない。のちに衝撃的な事実が判明するのだが…。ヨットで遭難しなぞの大型船に助けられ乗り込むことになるのだが…。
ここで顔に麻袋をかぶった謎の殺人鬼が登場し、仲間が殺されていく。ひとり生き残ったジェスが謎の殺人鬼と対決するのだが…。ここでもジェスが船から外を見ると、ヨットで遭難している自分たちを見つける。すべては繰り返されてることが判明する。
最初にジェスが経験した奇妙な出来事の伏線がここで解消される。主人公のジェスと2人目のジェスが存在し、1回目では意味がわからないことも、裏で主人公のジェスが行動した結果だとわかる。どういった行動をすればこのループから抜け出すことができるのか。
繰り替えされるループの中で、すでに同じことを何度も繰り返している証拠が強烈だ。船の中では、仲間のひとりが死んでいる。それもコピーが大量にいる状態で船の片隅に死体が積み上げられている。強烈すぎる場面だ。
何人もの自分と戦いつつ、最後には自分が麻袋をかぶって仲間を銃撃している。そうならざるお得ない状況になってしまっている。そして、最後の最後には船から落下するのだが…。同じ時間を繰り返す系の作品では、どこかでそのループから逃れるための突飛な行動が必要となる。
本作でも、数々の行動をためしているのだが…。ラストではいつの間にか息子を虐待する自分を見ることになる。ここで冒頭の場面につながるのだが…。ここでも同じことを繰り返しているとにおわせるように、車に激突した鳩を捨てると、そこには大量の鳩の死体が…。
恐ろしいループを抜け出すことは一生できない。
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