ちはやふる 下の句


 2018.6.9      競技かるたの女王・クイーン 【ちはやふる 下の句】

                     
ちはやふる -下の句- 豪華版 Blu-ray&DVD セット/広瀬すず
評価:3

■ヒトコト感想
上の句では、競技かるたの魅力とチャレンジする高校生たちの青春物語が描かれていた。本作もその流れを踏襲し、新たなライバルであるクイーンが登場してくる。主人公チームは全国大会のレベルでないことは明らかだ。皆で協力したからといって、いきなり全国優勝は無理だろう。となると、物語は千早がクイーンに挑戦することがメインとなる。

青春物語の定番として、上の句で作り上げられたチームワークが、ここで千早のスタンドプレーにより崩れることになる。そして、いったん崩れたチームワークは、仲間たちの助けによりまたひと纏まりになる。都合の良いラストではない。実力通りの結果となると、おそらくは次回作への伏線となっているのだろう。

■ストーリー
舞台はいよいよ全国大会へ―。新に東京都大会優勝を報告する千早に、思わぬ新の告白「かるたはもうやらん…」。ショックを受ける千早だが、全国大会へ向けて仲間たちと懸命に練習に励む。そんな中、千早は、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩暢(わかみやしのぶ)の存在を知る。全国大会の個人戦で詩暢と対決する可能性がある。

新に「強くなったな」って言われたい、詩暢に勝てばもう一度新とかるたを取れるかもしれない…クイーンに勝ちたい! 新に会いたい! 千早の気持ちは次第に詩暢にとらわれ、“競技かるた部"の仲間たちから離れていってしまう。そして、そんな千早の目を覚まさせようとする太一。千早、太一、新の気持ちが少しずつすれ違っていく…。今、泣きたくなるほど熱いクライマックスの、幕が上がる―!!!

■感想
上の句で一致団結し全国大会へ出場した面々。練習に熱を入れるが、千早がクイーンの圧倒的な力に魅せられ、クイーンを倒すことだけを目標としてしまう。ここで千早とほかの部員たちとの間に溝ができてしまう。

部長自身も自分のレベルUPのことだけを考えて行動し、部内がバラバラとなる。千早の目を覚まさせようとする部員たち。部員たちの間に亀裂が発生し、そこから一致団結するまでの定番的流れを楽しむべきだろう。圧倒的な力を見せるクイーンの存在感はすさまじいものがある。

上の句からカギを握る存在である新。太一や千早と幼馴染であり、実はクイーンとも幼馴染であった。あの強者であるクイーンがまったく歯が立たなかった存在が新である。そんな新も祖父の死をきっかけとして、競技かるたをやめてしまう。

新と千早と太一のラブストーリー的な展開は弱い。クイーンと新にしても恋愛関係ではない。なんとなく、新をめぐるクイーンと千早の対決というのも面白そうではあったのだが…。キャラとして、今の腑抜けのような新にがっかりするというクイーンの対応もよい。

クライマックスはクイーンと千早の対決だ。競技かるたの激しさは上の句で十分すぎるほど表現されている。おそらく次回作である「結」につなげるために、いくつか伏線が張られている。新がまだその本性を発揮しておらず、これから先は、太一と千早と新とクイーンの何らかの四角関係的な流れとなるのだろう。

青春物語もよいのだが、ありきたりな展開となっているのは間違いない。恋愛要素を付け加えたとして、どれだけ変化をつけることができるのか。自作に期待してしまう。

競技かるたの魅力は伝わってきた。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp