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　2020.4.14 　　 　　生き残った者たちが向かう場所　【ザ・スタンド２】

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ザ・スタンド 2 (文春文庫)
評価：3
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■ヒトコト感想
とんでもない致死率の病原菌が蔓延したアメリカでは、すべての人間が死滅したと思われていた。そんな中で各地で孤立した生存者たち。本作ではその生存者たちに焦点を当てている。それぞれ事情があり、生き残っている者同士が協力してどこかを目指してる。ある者は感染症の研究所。またある者は、誰か人がいると噂される場所へ。

まだ今の段階ではウィルスに侵される者と侵されない者の明確な違いは描かれていない。ただ何もわからずひたすら前に進むしかない者たち。食べ物や飲み物や燃料はふんだんにあるが、人がいない。ある者は冷蔵庫に閉じ込められて餓死したりもする。協力して仲間を見つけようとするが、道中を一緒に旅するには危険な者もいる。

■ストーリー
ついにアメリカは死滅した。各地で孤立する生存者たち。電気も通信手段も失われ、死んだ車の列が道路を遮断する。でも希望はある。夜毎の夢に現れる老女―彼女のもとを目指そう。そこにはきっと何かがある。旅の仲間を増やしつつ、未来を担う者たちが歩む苦難の旅。並みの小説五冊分の冒険が詰まった前半の山場、第二巻開幕。

■感想
高い致死率のウィルスが蔓延し、人々は死に絶えていた。前作では、人々がウィルスに侵されていく様が描かれていた。それぞれの人々は、自分だけが生き残ったことに困惑している。夫や子供に先立たれた女はふらふらとさまよい歩き、自殺のような行動をとる者もいる。

そんな中で生き残った者同士で出会えた者たちのことがメインに描かれている。10代の男女がともに行動している。そこにたくましくワイルドな中年男がやってきた。となると、10代の男は中年に変なライバル心を燃やし、そこから離脱することになる。この生き残った者同士の駆け引きが本作のメインだ。

ある生き残りは聾唖の者と知的障害のある者のコンビだ。そこにセクシーな若い女が加わるのだが…。この女が強烈にエキセントリックで、すべての輪を破壊しようとする。男たちが女を置いて逃げようとしたのだが女は置いていかれることをよしとしない。

あげくの果てには、男たちを撃ち殺そうとまでする。相反する思いが爆発したような感じだ。ひとりっきりにされたくない。かといって、男たちと一緒に行動するのも嫌だ。となると、相手を殺して置いていかれる状況そのものをなかったことにするという考えだろう。

生き残った者たちは、感染症の研究所を目指す。そこにたどり着いた者は、書置きを残して別の場所へと移動する。生き残ったわずかな者たちは今後どうなっていくのか。アメリカ全土で蔓延したウィルスに対してはどのようにして決着をつけるのか。先の読めない展開であることは間違いない。

幸せに暮らしていた家族があっという間に次々と死んでいく。残されたひとりは絶望にさいなまれ、希望をなくし自殺へとすすむのだろうか…。物語の落としどころがわからない物語だ。

かなり強烈な内容であることは間違いない。