ザ・リング2


 2022.1.12      貞子の影響力を広げる子供【ザ・リング2】

                     
ザ・リング2 [ ナオミ・ワッツ ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
前作は日本版の間違い探し的な流れであった。本作は日本のリング2とは違う流れとなっている。前作は日本的な怖さをあえて同じように描いていた。本作でもビデオのよくわからないが妙に怖い映像というのは健在だ。ただそれでも出てくる俳優たちが金髪なので、どこか違和感がある。恐怖のビデオは明らかに着物や日本独特の怖さがあってこそなのだろう。

ナオミ・ワッツが恐怖の元凶と最後に例の井戸で対決するという流れだ。貞子的な存在としては、いつものカクカクとした動きはすばらしい。貞子を見てしまうと、恐怖の表情のまま死亡する。ホラーの定番化した流れではあるのだが、リングというブランドなだけにそのハードルは高くなってしまう。

■ストーリー
日米共に大ヒットを記録した中田秀夫監督が描くサスペンス・ホラー「リング」の続編。今作はハリウッド完全オリジナル・ストーリーで、日本版とは異なった世界観を作り出している。

■感想
リングは間違いなく恐ろしい。最初見た時にはその恐怖に衝撃を受けた。それがハリウッド版としてリメイクされ、間違い探し的に日本版とほぼ同様であった。これは、日本版がいかに優れていたかという証明になるのだろう。その続編としての本作は日本版とは異なった流れとなっている。

確かに続編はいまいちな印象があったので、ハリウッド版では改変されるのは当然だろう。呪いのビデオを見てしまった息子を助けるために母親は奔走する。ダビングし他人に見せれば呪いは解けるはずなのだが…。

母親と知り合いの男は、母親と共に恐怖の謎を解こうとする。息子だけが貞子の呪いにかかっている状態ではあるが、本人はそのことを認識していない。この少年が妙に恐ろしい。ダミアン的な恐ろしさとでも言うのだろうか。

貞子と友達のような雰囲気を漂わせながら、男が息子とふたりで過ごす場面では、明らかに先が想像できてしまう。息子はもはや貞子の代弁者的な存在となっている。直接殺すのは貞子かもしれないが、この息子が貞子の影響力を広げている感じだ。

ラストでは母親が貞子のフィールドに取り込まれてしまう。テレビの中で井戸から貞子がゆっくり上がってくるあの井戸に入り込んでしまう。井戸の底からは貞子が独特のクモのような登り方で追いかけてくる。

この場面が本作の恐怖のピークだろう。逃げる母親、追う貞子。そして、少しだけ開いた井戸の蓋を、母親がしっかりと締め切ってしまう。そのことで、もう二度と貞子は出てこないということなのだろう。ラストの流れは結構意味深な終わり方だ。

ハリウッド独自のストーリーはちょっと特殊だ。



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