天気の子


 2021.3.1      すばらしい雨上がりの描写【天気の子】

                     
「天気の子」 [ 醍醐虎汰朗 ]
評価:3

■ヒトコト感想
どんな大雨だろうとその女の子が祈るとたちまち晴れになる。晴れ女の究極の形を描いた本作。家出少年が出合った不思議な力をもつ少女。オカルト雑誌のライターの家に居候になりながらの生活で少女との交流が始まっていく。この監督の売りでもある素晴らしい映像は今回も健在だ。

東京の街並みがすばらしいアニメーションで描かれる。雨上がりの表現などは透明感にあふれている。キャラも可愛らしくキャラ立ちしている。声優を有名俳優が演じている部分はイマイチな印象だが…。RADWIMPSが曲を提供しているパターンは「君の名は。」のヒットと同じパターンだ。ストーリー的にそこまで面白いものではないので、キャラと雰囲気で成り立っている作品だ。

■ストーリー
高1の夏。離島から家出し、東京にやって来た帆高。あやしげなオカルト雑誌のライターとして働き始めた帆高は、不思議な力を持つ少女・陽菜と出会う。

■感想
強烈なインパクトがあるのはその絵柄だろう。透明感あふれる雰囲気で、雨上がりのシーンなどは感動してしまう。日本全体の異常気象をテーマとした作品で、祈ることで雨を止め晴れを呼び込むことができる女の子と、家出少年の物語となっている。

序盤から都内の様々な場所の映像が精密なアニメで描かれてる。少年はオカルト雑誌のライターの家に住み込みながらバイト生活を続ける。ひょんなことから出会った少女が晴れ女の能力があると知り、雨天を晴天に変えるというバイトを始める。

晴れ女の能力を使うと体が透き通り始める少女。消えてなくなる運命にある少女と、なんとかそれを防ぎたい少年のドタバタが始まる。異常気象を止めるには、いけにえが必要で、その役目を少女が負っているということらしい。

ストーリー的には大したことがなく、少女が晴れ女になったきっかけもよくわからない。少年が必死で少女を助けようとする。少年少女たちが何かを変えようと必死になる。それを刑事や大人たちが安全で波風の立たない方向へと軌道修正しようとする。

少女がいけにえにならなければ異常気象は終わらない。東京は長く続く雨のためにかなりの平地にまで水位が上がる。日本中がパニックになるのは最初だけ。水位が上がった生活に慣れているのが面白い。

移動手段として船を使ったり、日常が大きく変わっていく。これらはすべて少女がいけにえにならなかったため。少年は無事に高校を卒業して東京へやってくる。オカルト雑誌のライターは事務所に人を増員して忙しそうに仕事をしている。明るい未来となっているのが良い。

ストーリーに魅力がない部分を綺麗な映像で成り立たせている。



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