君の名は。


 2018.2.7      ネタバレすると面白さが半減 【君の名は。】

                     
「君の名は。」スタンダード・エディション [ 神木隆之介 ]
評価:3

■ヒトコト感想
話題作。なんの予備知識もなしに見た。最初は男子高校生と女子高生の体が入れ替わるという、ちょっとしたラブコメ作品かと思った。それが中盤以降から一気に様変わりしていく。序盤の入れ替わりの面白さをどこまで引っ張ることができるのか。入れ替わりの面白さは秀逸だ。思春期の男女が入れ替わる上での問題と、田舎と都会の違い。そして、後半から怒涛のSF的な展開

ビッグヒットしたのもわかる気がするが、何度も見たいと思う作品ではない。一度見てしまうと、途端に色あせて感じてしまうのはなぜだろう。絵柄の美しさと、キャラクターの個性で引っ張るには限界がある。ストーリー的にそこまで惹かれるものがなかったというのが正直なところだ。

■ストーリー
千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、ある日自分が男の子になる夢を見る。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、自分が女子高生になっている奇妙な夢を見た。繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。二人は気付く。「私/俺たち、入れ替わってる!?」出会うことのない二人の出会い。運命の歯車が、いま動き出す…。

■感想
田舎町で生活する三葉と都会で暮らす瀧。このふたりの心が突然入れ替わってしまう。男と女の違いもそうだが、生活スタイルの違いも大きい。特に強烈なのは、三葉が入れ替わった状態の瀧は、あこがれの女性と親密になれるという部分だ。

素の瀧ではなしえなかったことを、三葉はやってのけてしまう。心が同姓であれば、なんの気負いもなく、相手に近づいていけるのだろう。瀧は三葉となったとしても、男と親密になったりはしない。このあたりが男女の性差ということなのだろうか。

入れ替わりが突然終わる。そして…。ある程度ネタバレとなってしまうが、時間軸のズレが巧みに表現されている。ただ、お互いが入れ替わり日々の生活を送っていく上で、日付を見ることはなかったのだろうか?もしくは、ニュースなりネットなりを見れば、今自分がいる時代がいつなのかとすぐに気づくはずなのだが…。

このあたりに目をつぶれば非常によくできた流れだと思う。瀧が真実に気づいた時の衝撃はすさまじい。自分としても予備知識なく見ていたので、時間軸のズレが分かった時の衝撃は、瀧と同じくらいだ。

後半のSFはまぁ、だいたいオチが想像できるので、特別な印象はない。村人たちを助けるために、三葉の中に入った瀧があれこれと策略を練って仲間と共に大作戦を実行しようとする。無謀な計画を勢いだけでやりきってしまおうとするこの勢いが良い。

印象的な音楽と、背景が特に書き込まれた美しい映像。どこかで見たことのあるストーリーのツギハギだとしても、初見の衝撃はすさまじい。ただ、内容を知ってしまうと、ふーんという感想しかもたない。

大ヒットもうなづけるが、何回も見に行った人はいるのだろうか?



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