2019.10.29 原作のイメージ通りの配役【旅猫リポート】
旅猫リポート [ 福士蒼汰 ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
猫のナナの飼い主を探すために悟は旅にでる。冒頭から悟の悲しい境遇が語られ、ナナとの絆の強さというのを感じさせる流れとなっている。そこから過去の同級生との関係や幼い悟を引き取ってくれた叔母さんとの関係も描かれている。原作のイメージどおりの優しい好青年である悟。中盤から悟が必要以上にナナの飼い主探しに注力する部分がある。
なぜそこまで?と観衆は思うのだが、その答えは後半に明らかとなる。さわやかで嫌味なく、昔好きだった女の子にさらりと「好きだった」と言ってしまうあたりがすごい。このさわやかさで実は余命僅かという強烈な爆弾があれば、誰もが悟に釘付けになることだろう。あからさまに涙を誘う流れでないのもよい。
■ストーリー
元野良猫のナナ(声:高畑充希)は、交通事故にあったところを心優しい猫好きの青年・悟(福士蒼汰)に助けられ、5年間、飼い猫として幸せに暮らしてきた。しかし、とある事情で悟はナナを手放さなくてはならなくなり、ナナと一緒に、新しい飼い主を探す旅に出る。
銀色のワゴンに乗った悟とナナは、悟の小学校時代の親友(山本涼介)、高校時代の友人夫婦(広瀬アリス、大野拓朗)、幼少の頃からお世話になっている叔母(竹内結子)など、悟がこれまでの人生で出会った大切な人たちを、順に訪ねていく。それは図らずも悟の人生を振り返る旅となるのだが・・・。
■感想
原作はすでに読んでいる。原作のイメージそのままに序盤まではナナと悟の旅物語という流れであった。悟役の福士蒼汰が強烈にさわやかなので、単純なさわやか旅物語になっている。いく先々で猫とともに昔の同級生たちを訪ね歩く。
中には学生時代に三角関係になったようなパターンがあり、悟以外が結婚しているという流れもある。そこで女の方が実は学生時代に悟のことが好きだったという流れすらある。さわやか恋愛物語かと思いきや、そうはならない。悟がさわやかに昔好きだったと言うのは強烈な流れだ。
悟は悲しい少年時代を過ごしている。両親が交通事故で亡くなるという不幸を経験し、身寄りのない悟は叔母さんに引き取られることになる。叔母さんが仕事柄転勤が多いため、悟はいろいろな場所で友達を作ることになる。
このことが日本中を猫とともに旅することへとつながっている。猫のナナは癖がある。猫目線で悟の生末を案じている。この手の動物を扱う物語というのは、どこかで無理やりな感じがでてくるのだろう。本作でもかなり無理をしている。極めつけは犬を川から助ける場面の、犬の違和感ある動きだ。
なぜ猫を連れて旅をしていたのか、その意味は後半に明らかとなる。さわやかな表情で時おり背中を抑えたりもする。叔母や悟本人はすべてを悟った上での行動なのだろう。自分が死ぬから猫の新しい飼い主を探す。ナナは悟の状況を察知して悟から離れないようにする。
あからさまにお涙頂戴パターンとならないのがよい。叔母にしても悟の死期が近づいていたと知っても、やけにさわやかに対応している。同級生たちも含め悟の死についてはさわやかな終わり方をしているのがよい。
原作のイメージどおりの配役だ。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp