疾風ロンド


 2020.3.19      スノボがしたくなる映像【疾風ロンド】

                     
疾風ロンド [ 阿部寛 ]
評価:3

■ヒトコト感想
広大なゲレンデの中で生物兵器が埋まっている場所を探し出し、そこからワクチンが存在しない危険な生物兵器を取り戻そうとする。主任研究員の栗林が慣れないスキーをしながらゲレンデを捜索するのだが…。全体的にコメディの要素が強い。栗林の親子関係や、煮え切らない態度とことなかれ主義。対して若者たちは前向きに進んでる。

さまざまな要素があり、スキー場のパトロールの男やスノボでオリンピックを目指す女などそれぞれの思惑をよそに事態は意外な展開へとすすんでいく。スキーやスノボの映像がメインだろう。ミステリーの要素はおまけのようなものだ。東野圭吾原作の映画化では阿部寛が登場するのが定番となっている。半分コメディな役も良く似合っている。

■ストーリー
医科学研究所から、違法生物兵器「K-55」が盗まれた。研究所所長の下に届く犯人からの脅迫メール。「身代金の3億円を用意しろ」違法生物兵器のため警察には頼めない・・・、しかも残された時間は4日間・・・。そんな窮地に白羽の矢が立ったのは、なぜ何故だかしがない主任研究員・栗林和幸。秘密裏に生物兵器を捜す命を受けるも、全く手掛かりがない・・・。そんな中、一本の電話が。≪犯人死亡! ! ≫まさかの事態に呆然とする一方で迫りくる大惨事へのタイムリータイムリミット。

生物兵器の行方も完全に不明になったと、途方に暮れていたその時、犯人の遺品から僅かな手掛かりを掴むのだった。そこから浮かび上がったヒントは“日本最大級のスキー場"・・・。スキー初心者、何だかちょっと頼りない中年男が今、日本の未来を担う!?

■感想
原作はすでに読んでいる。その時の感想は「スノボがしたくなってきた」というものだった。生物兵器が広大なゲレンデのどこかに隠されている。それを探し出そうとするのはスキー素人の栗林だけ。まず、禁断の生物兵器なのでマスコミにバレることを恐れるあまり警察に頼ることができない。

最初から警察へ連絡していれば一発で解決したはずだ。都合よく生物兵器を持ちだした者は、交通事故にあって死亡する。となると後はものを取り戻せばよいはずなのだが…。

生物兵器を奪い取ろうとする者もいる。栗林は機転を利かせてスキー場のパトロールの男に探すのを手伝わせることに成功する。見どころはゲレンデを滑降しながらのスキーとスノボの対決だ。明らかに吹き替えでプロがスタントマンとして演技しているのだろうが…。

このスピード感と激しい映像を見ると、スノボをしたくなる。栗林は足を怪我したことで、スキー場のレストランで待機する。この場面も、ゲレンデのレストランならではの雰囲気がよい良い。スノボやスキー好きの人にはたまらない雰囲気だ。

内容は特別大掛かりなものではない。ただ、目印としてつけていたテディベアが何者かにとられたことにより、生物兵器のありかが不明となる。生物兵器を無事に手に入れてからもまたひと悶着がある。二転三転する中で、栗林の息子が機転を利かせたことで物事はよい良い方向へと動いていく。

栗林は息子から指摘されたことで自分の不甲斐なさに気づき、そして思い切った行動にでる。ただ、父親の立場からすると、いくら正義のためとはいえ、すべて全ての仕事を捨て去るのはかなり勇気がいることだ。

スノボがやりたくなる作品だ。



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