シー・サバイバー


 2018.5.19      海賊とロシア軍のかけひき 【シー・サバイバー】

                     
シー・サバイバー
評価:3

■ヒトコト感想
実話をもとにした作品。海賊に船が乗っ取られるパターンは「キャプテン・フィリップス」がある。本作はそこまでドキドキ感はない。巨大なタンカーが乗っ取られ、乗務員たちは機関室に閉じこもる。ロシアの軍隊と銃撃戦となり、ロシアの兵士サーシャが囚われの身となる。海賊の内部からサーシャがどうにかして事態を打開しようとする。

海賊たちは容赦ない。さらには、ロシア側も容赦ない。テロリストとは交渉しないの一点張りで、人質が殺されようとも身代金を払うことはない。正しいことなのだろうが、ロシアの強行さにも驚いた。ラストは海軍の特殊部隊と海賊たちの戦いとなる。前半までの緊迫感あふれる展開が、後半はただのアクション映画となっているのが残念だ。

■ストーリー
2010年5月。ロシアのタンカーがソマリア沖で海賊に乗っ取られた。救難信号を受けた対潜フリーゲート艦の海兵隊員たちは救援に向かうが、ソマリア人たちの激しい銃撃に遭い撃退されてしまう。銃撃戦の最中に海面に落下してしまった海兵隊のサーシャもソマリア人の一味に人質にとられてしまう。

ソマリアのボスであるアミンはロシアに身代金を要求。2日後までに金を支払わなければ船員たちを殺すと脅す。サーシャとソマリア海賊たちとの命がけの駆け引きが続く中、ロシアも国家の威信を賭けた闘いに直面する。海軍特殊部隊スペツナズを出動させた奪還作戦成功のタイムリミットは「22分」。待受けるのは生か死か―

■感想
ロシアのタンカーがソマリアの海賊に乗っ取られる。まずはタンカーの乗組員たちは自分たちの身を守るために機関室に閉じこもる。海賊たちは乗組員を人質として身代金の交渉をしたいため、乗組員たちを機関室から出そうとする。

タンカーがガスを扱っているために火気厳禁というのがポイントなのだろう。強引な銃撃戦はない。最終的には機関室の扉を焼ききるという選択をとるのだが、そこにいたるまでは、様々なかけひきがある。ロシア兵のサーシャが囚われたことが一番のポイントなのだろう。

サーシャと海賊たちのかけいひきもまた面白い。海賊はタンカーの乗組員たちとサーシャを経由して交渉する。そこでサーシャは海賊がわからないロシア語で様々な情報のやりとりをする。決して外にでてはいけないだとか、いつ軍隊が助けにくるだとか。

海賊は当然ロシア語がわからないので、英語で話せと言う。となると、サーシャは適当なことを英語で話す。海賊がサーシャを都合よく扱っているようだが、実はサーシャが様々な仕掛けを行い、ロシア海軍が海賊たちに攻め入ることをサポートしている。

ロシア海軍も、海賊たちを殲滅するために様々な対策を練る。タンカーに忍び込み銃器を使わずに相手を殲滅する訓練をしたり。サーシャの協力がある前提での作戦もいくつかある。「キャプテン・フィリップス」ほどのハラハラドキドキ感はない。

タンカーに乗り込んでからは、海賊と海軍の単純なアクション映画となっている。そして、海賊のボスであるアミンと海軍のボスがナイフで一対一の戦いをするなんてのは、あまりにできすぎている。

前半と後半の緊迫感がかなり異なっている。



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