2019.2.5 マリィが小山田に結婚を迫る 【さらば愛しき魔法使い】
さらば愛しき魔法使い /東川篤哉(著者)
評価:2
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■ヒトコト感想
する。基本的な流れとしては、犯人は読者にわかった状態で刑事たちが誤った人物を犯人の思惑どおり容疑者としようとする。そこでマリィが魔法をかけて犯人自身に犯行を自供させる。その後は、魔法の結果を捜査の結果につなげるために小山田刑事が奮闘する。連作短編集ではあるが、マリィと小山田の関係は少しづつ変化している。
マリィが小山田と結婚したいオーラをだし、その結果、婚姻届けにまで名前を記入してみたり…。ちょっとしたラブコメ要素もあるのかと思いきや…。魔法使いのドジっ子風な要素が強い物語となっている。強烈なインパクトはなく、ごく普通のシリーズとなっている。
■ストーリー
事件解決に貢献したマリィに「あるもの」をおねだりされ、青くなる小山田刑事。一方、派手に活躍するマリィたちに、オカルト誌「マー」が目をつけた!二人の、そして八王子の未来はどうなる!?魔法使いマリィ、消える―?シリーズ最高潮!ユーモアミステリーシリーズ第3弾。
■感想
魔法使いシリーズも第3弾までくると、マンネリ化してくる。魔法で犯人に、「自分が犯人だ」と告白させ、そのギャップをうめる作業を小山田が行う。4編の短編の中で、アリバイ崩しやダイイングメッセージなどがある。
定番的なミステリーの内容ではあるが、魔法使いとちょっと抜けた刑事と、イケメン大好きな美女警部というこの3人で物語を作り上げている。おまけの要素としては、シリーズを通してマリィの気持ちが小山田に向かっているというのがはっきりしており、ついには結婚をにおわすような流れにすらなっている。
「魔法使いと血文字の罠」は、犯人が殺した相手の残したダイイングメッセージを利用し、別の人物を犯人に仕立て上げようとした物語だ。ここでは、定番の流れとしてマリィと小山田の関係がよりすすんでいる。マリィは婚姻届けに名前を書いている。
それらがヒントとなり、小山田は真犯人へつながる謎を解き明かす。ダイイングメッセージのトリックなのだが、特別驚くようなものではなく、マリィのくだりと連携がとれているということが物語のポイントなのかもしれない。
「魔法使いとバリスタの企み」は、有名バリスタが従業員を殺害する事件だ。これまた犯人は他の人物に容疑を擦り付けようとする。その方法として、特殊なたばこを現場に残すという方法をとっている。この短編ではマリィが魔法少女であることが、怪奇現象を扱う雑誌記者にかぎつけられたことにより、マリィと小山田の関係が不仲となる。
無事、真犯人を見つけ出したとしても、マリィはどこかに消えてしまう。この流れがタイトルにつながっているのだろう。
シリーズとしてこれで終わりではないだろう。
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