三銃士


 2018.9.12      このオーソドックスさは貴重だ 【三銃士】

                     
三銃士
評価:2

■ヒトコト感想
三銃士というと、昔から定番としての流れがある。何度も映画化されている作品であり、20年以上前の作品なので、古さは否めない。最近では新しい三銃士として「三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」というのがあった。巨大な飛行船と美しい映像の数々。それらと比べると、本作はかなり武骨だ。

平凡で当たり前の三銃士が描かれており、オーソドックスなので安心感はある。ただ、今これを見たとしても面白さを感じるかは微妙だ。有名俳優の今とは違うフレッシュな映像を楽しむべきなのだろうか。三銃士がなんの仕掛けもなく、純粋に戦うシーンが続く。策略によるちょっとしたゴタゴタはあるのだが、基本は誰もが知る三銃士の冒険モノとなっている。

■ストーリー
アレクサンドラ・デュマの名作小説、5回目の映画化。今回はダルタニアンにクリス・オドネル、アラミスにチャーリー・シーン、アトスにキーファー・サザーランド、ポルトスにオリヴァー・プラットという、デュマがそもそも記した設定の年齢に近い若手スターが集められている。

彼ら三銃士プラス1が、邪悪な枢機卿(ティム・カリー)の陰謀から国王を護るという、おなじみの武勇伝を現代に通用する冒険活劇としてアレンジした努力は認められてもいいだろう。スティーヴン・ヘレク監督の演出も、どちらかというとキャストの若々しさにあわせた陽気なアクション主体のもので、剣戟シーンも爽快かつダイナミック。群衆シーンなどがきっちりと捉えられているのもいい。

■感想
三銃士は映画化もされており、アニメ化やパロディされたりと、かなり使いつくされた内容の認識だ。その三銃士がオーソドックスな映画として描かれている。発表された年代が20年以上前なので、映像的な古さは否めない。さらには、出てくる俳優たちの若さには驚かずにはいられない。

あの俳優がこれほどフレッシュな雰囲気をだしていたとは…。チャーリーシーンなど、今とは似ても似つかない風貌となっている。三銃士とダルタニアンが邪悪な枢機卿から王国を守るというオーソドックスな内容となっている。

邪悪な枢機卿は、典型的な悪であり非常にわかりやすい。対して三銃士たちは、女ったらしの男や、怪力の男、そしてスカした男。3人ともそれなりに個性があり、剣術の腕は超一流ときている。秀逸なのは、最初にダルタニアンは、3人とは別々に出会い、それぞれに決闘を申し込む場面だ。

同じ場所で時間を少しだけずらして決闘を行おうとする。ダルタニアンの無謀さもあるが、三銃士の懐の深さを表現した場面だ。観衆は決闘といっても軽いものかと思いきや、がっつりと殺し合いに発展しそうな流れは驚かずにはいられない。

ダルタニアンは、若くはつらつとして思うがまま動き回っている。三銃士というありきたりな内容に対して、特別な個性は用意せず、真っ向勝負しているのは驚きだ。かなり古い作品であることは間違いない。今と比べると、雑な部分はあり面白味もないのだが、なつかしさを感じることはできる。

有名俳優の若いころを見て楽しむか、オーソドックスな三銃士が好きな人にはたまらないかもしれない。それ以外の人にとってはあえて見るべき作品ではないだろう。

このオーソドックスさはある意味貴重かもしれない。



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