桜庭一樹のシネマ桜吹雪 


 2021.8.26      作者とは映画の好みが合う 【桜庭一樹のシネマ桜吹雪】

                     
桜庭一樹のシネマ桜吹雪 [ 桜庭一樹 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
桜庭一樹が映画を批評する。といっても小難しい批評ではなく軽いあらすじと感想を述べているといった感じだ。批評する作品はハリウッド大作のような誰もが知っている作品というよりは、どちらかというとマニアックなヨーロッパ作品が多いようなイメージだ。自分も結構な映画を見ているつもりでいたが、作者が見た作品の中で、自分も見ていたのは4分の1もなかった。ただ、印象的な作品は自分もすぐに思い出すことができ、感想を共有することができた。

なんとなくだが、感想に大きな違いがあるという感じではなかった。作者が面白いと絶賛している作品に対して、自分がつまらなかったというような感想をもつことはなかった。わりと好みが近いのかもしれない。

■ストーリー
目を凝らせ、魂をみつけろ――少女とヒーローと無数のifに満ちた映画ワールドがここに。音楽の神さま、あの娘を助けて 『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』老いたるロッキーは神話的英雄だ 『クリード チャンプを継ぐ男』SMとは「神の子」を造る戦い 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』中年スパイダーマンが胸狂おしい 『スパイダーマン:スパイダーバース』 血塗れの「映画の子供たち」 『GONIN サーガ』……etc.「本当に観ておもしろい」映画を厳選!「週刊文春」の人気連載ほか、物語作家ならではの洞察が光る珠玉の映画エッセイ集。

■感想
「女神の見えざる手」が紹介されていた。作者と同じように主役のジェシカ・チャステインのインパクトある演技に釘付けとなった。ロビイストのイメージも本作を見て変わったのは間違いない。ひとりのロビイストがどこまで選挙に影響を与えるのか。

有名ロビイストであれば、下手な芸能人よりも有名であり、最悪の場合は殺されたりもする。激しいストレスがかかる仕事でそのストレスを解消するために、男を買うというのも衝撃的だ。作者が自分と同じような感想をもっていることにも驚いた。

作者の紹介作品の中で、本作を読んだことにより見たくなった作品がある。それは「スパイダーマン:スパイダーバース」だ。今までスパイダーマンはほとんど見たことがない。見たとしてもパターンが決まっているので、あまり楽しめないであろうことは想像できた。

ただ、作者の感想を見ると、普通のスパイダーマン映画ではないように思えた。中年のスパイダーマンということで、普通にスパイダーマンが悪を倒して美女と仲良くなる系の作品ではないということなのだろう。

その他の作品の中で、自分の中で見た瞬間は覚えているのだが、忘れていた作品もある。作者の感想を読んで、自分も同じように楽しめたということを思い出すことができた。どれだけ面白い作品であっても、頭の中からすっぽりと抜け落ちている作品もある。

タイトルなり内容なりを見たり読んだりすれば、すぐに思い出せるのだが…。いくつかの作品はその面白さにも関わらず内容を忘れていたというのがあるので、思い出すことができてよかったのと、もう一度見たくなったりもした。

好みの合う映画批評は良い。



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