貞子3D


 2020.6.8      貞子は賞味期限切れだ【貞子3D】

                     
貞子 3D2
評価:2

■ヒトコト感想
貞子シリーズははるか昔に「リング」「らせん」を見た。そこからそれなりにシリーズが続くが、本作は貞子がメインとなっている。映画館では3Dというタイトルがついているように、画面から飛び出してきたのだろう。貞子はもはや単体でタイトルになるほど知名度がある。が、ネタ切れ感が強い。

初代リングは呪いのビデオということでアナログなビデオテープだったのが、本作では動画になっている。SNSやyoutubeなど新しいメディアを登場させてはいるが、ありがちな展開だ。呪いの動画を見ると貞子が画面から飛び出してくる。ただそれだけの作品となっている。初代リングのひりつくような恐ろしさとは雲泥の差がある。キャラとしての貞子だけでは限界があるのだろう。

■ストーリー
鮎川茜が教師を勤める女子高で、動画サイトに投稿された、自殺を生中継した映像が噂となる。しかも、その生中継を偶然見ていた人も死んでしまったという。 茜の教え子・典子が不可解な死を遂げ、さらに時を同じくして、各地でも同じような不審死が相次ぐ。警察は一様に自殺と断定するが、みな共通して死の直前にある動画を見ていたのだった―。

■感想
世間で話題となっている呪いの動画があった。本作では女子高教師の茜が主人公であり、生徒が呪いの動画を見て自殺してしまう。ありがちな展開だ。リングシリーズはハリウッド版の「ザ・リング」ふくめて結構見ている。すでに貞子としての知名度が高いために、リングシリーズとは無関係でも問題ないのだろう。

呪いの動画から貞子が3Dで飛び出してくるというのは想像できる。そして、その想像どおりの展開となる。流れが想像できてしまうと面白さや恐怖感も半減してしまう。

貞子が画面から出てきたところで驚きはない。長い髪が顔にかぶさりゆっくりと歩いて近づいてくる貞子のイメージがあったが、本作では蜘蛛のように手足が長く四つ足で歩く化け物になっている。

こうなると日本的な静けさの中での恐怖が薄れ、ハリウッド映画的な大音響で驚かせる恐怖になっている。初代リングのような奇妙な恐怖は消え去っている。警察組織が呪いの動画にたどりつき、刑事の前で自殺するシーンはそれなりにインパクトがあるのだが…。全体的にチープな印象はぬぐいされない。

シリーズとしては続くのだろうか。貞子としては賞味期限切れのような気がしてならない。貞子だけでは他者をひきつけるほどの魅力がなくなっている。呪いの動画で自殺者が続出する。その呪いの動画自身の内容についてもなんだか釈然としない。

奇妙な恐怖もなく、かくかくした映像だけで恐怖をあおるのは難しい。ホラー映画としての恐怖はゼロかもしれない。貞子ということだけで引っ張るには限界がある。使い古されたネタなので、画期的な何かがないと辛い。

シリーズとして、まだまだ続くのだろうか。。。



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