ライオンは仔猫に夢中 平塚おんな探偵の事件簿3 


 2018.11.22      女は痩せたが男はデブ専 【ライオンは仔猫に夢中 平塚おんな探偵の事件簿3】

                     
ライオンは仔猫に夢中 ?平塚おんな探偵の事件簿3? [ 東川篤哉 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
ライオンシリーズ。エルザがため口で吠えながら事件を解決するいつものパターンだ。不可解な事件に対して、ちょっとしたきっかけから巻き込まれてしまう。エルザと美伽の二人が事件に絡み解決するのだが、特別面白い事件というわけではない。ちょっと突飛な事件で、なんでそうなるの?という疑問はわいてくる。

トリックやオチを知りたいという気持ちになるが、オチがわかったところで衝撃を受けるような内容ではない。ライトなミステリーの定番として深刻な状況ではないので、事件が解決した際のふり幅もそれほど大きくはならないのだろう。今回からエルザの探偵事務所に新たに加わることになった猫が初登場するというのが大きなポイントかもしれない。

■ストーリー
転落死した社長令嬢の部屋から赤いハイヒールが消えたのはなぜ? 老人の最期を見ていた鸚鵡が狙われる理由は? ライオン探偵・エルザと助手・美伽に難事件と災難が降りかかる。

■感想
「密室から逃げてきた男」は、ある男が密室殺人事件の容疑者とされた。そこでは、完全な密室状態で中には死んだ女と男がひとりいただけだった。典型的な密室トリックで、真犯人はどのようにして密室を作り上げたかを、エルザが推理で解き明かす。

この短編で猫が登場してくる。それも事件解決に重要な役割になる猫だ。ある意味、密室を作り上げた元といってもよいだろう。事件の容疑者である男と刑事とエルザたちのやりとりもまた、面白さのポイントのひとつかもしれない。

「おしゃべり鸚鵡を追いかけて」はオウムが物語のポイントとなる。奇しくも猫が登場し、今回はオウムということで、偶然だろうが動物系が続いている。オウムを使った事件としては、オウムが犯人の顔を見ているだとか、犯人のヒントとなる言葉をしゃべるなんてことを想像するだろう。

本作では、その想像を犯人側がすることにより、オウムを捕まえようとする流れとなる。エルザたちは、そのお約束的展開を見越して犯人を逮捕しようとする。誰もが想像するネタを逆手にとった短編かもしれない。

「あの夏の面影」は何段階かに分かれた作品だ。太った女性が恋したことで急激に痩せる。恋人は太った女が痩せたことに気づかずに付き合っている。そして、男は太った女のことが忘れられず…。女が頑張って痩せたはいいが男がデブ専だった、というオチの流れかと思いきや、そこからもうひと事件起きる。

男が太った女を探し続けるのは、気になったからではなく事件の重大な鍵を握っていたからだ。序盤で女が頑張て痩せたはよいが、恋人は太目が好きと知ったときのはじけるような食べっぷりが妙に印象に残っている。

ライオンシリーズとして、安定した流れがある。



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