ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男


 2018.11.7      黒人解放に尽力したもうひとりの男 【ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男】

                     
ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男 [ マシュー・マコノヒー ]
評価:3

■ヒトコト感想
南北戦争時代のアメリカで黒人の自由をかけて戦い続けた男の物語。「オール・ザ・ウェイ JFKを継いだ男」で同じく黒人の自由を勝ち取ろうとしたジョンソンを描いた作品がある。本作のニュートンナイトは反乱軍を率いて南軍と対決することを選んでいる。そもそも戦争に意義が感じられないので、軍を脱走したニュートン。

その後、自分の信念を曲げず、黒人も同じ人間だという思いで黒人たちの自由を目指して行動する。沼地に隠れることで軍の追撃から逃れる。一大勢力となってからは、交渉をしたりもする。白人が黒人と一体となり南軍と対決する。家族すらも捨てるような気持ちで黒人たちに銃を与えようとする。この心意気に見ていて心打たれてしまう。

■ストーリー
1862年、南北戦争で二つに引き裂かれたアメリカで、ニュートン・ナイトは甥の遺体を家族に届けようと南軍を脱走する。故郷で仲間の農民たちから農作物を奪う南軍と衝突したニュートンは、追われる身となって湿原に身を隠す。そこで出会った、同じく自由を求める黒人の逃亡奴隷たちと友情を築いたニュートンは、黒人と白人が一つになった前代未聞の反乱軍を結成し、自由のために立ち上がる

■感想
白人が黒人の自由のために、自分の家族と離れ離れになったとしても共闘する。軍を脱走したことで追われる身となり、同じく隠れて生活していた黒人たちと共に反乱軍を作り上げる。当初は軍の騎馬部隊が入り込めない沼地でひっそりと息を殺して生活していくはずだったのだが…。

黒人も同じ人間として扱うことにニュートンはなんの疑問ももたない。南北戦争の結果とは別に、現場では黒人差別は根強く続いている。この状況下で力強く黒人たちと共に自由を獲得しようとするのはすばらしい。

現代ではニュートンの子孫たちがその出自から様々な苦難に直面している。人種差別について、今はなくなっているはずだが、まだまだ根強く残っているのかもしれない。南北戦争の時代のとんでもない人種差別がこれでもかと描かれている。

南北戦争で北軍が勝利したとしても、現場ではそれまで通り、黒人を奴隷のように扱う制度は残っている。このローカルルール的なモノに対してもニュートンは毅然と反発し、黒人の子供を取り戻したりもする。

ニュートンの男気溢れる行動と、黒人たちの悲惨な状況はすさまじい。ニュートンと同じく自らの自由を勝ち取ろうとした黒人が、白人たちによってリンチされるなど、KKKのすさまじさが強烈に印象に残っている。

今の時代では当たり前になった平等な精神も、それまで黒人を奴隷として扱ってきた白人にとっては許されることではないのだろう。白人たちが既得権益を手放したくないと思う気持ちもなんとなくわかる。ニュートンたちが選挙で投票しようとした時、対立する党の投票用紙すらないという横暴にも驚かずにはいられない。

このすさまじさは強烈だ。



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