猫の恩返し


 2018.11.1      大迷惑な恩返し 【猫の恩返し】

                     
猫の恩返し/ギブリーズepisode2
評価:2.5

■ヒトコト感想
ジブリ映画。恩返しと聞くと鶴や亀を思い出してしまう。そのどちらも恩返しされる側は、おもてなしや良い思いをする。本作では車に轢かれそうになったネコを助けたことで、ネコに恩返しされるのだが、それがあべこべに当人からしたら迷惑なことだという物語だ。

主人公ハルは現実に嫌気がさしているために、若干ネコの世界にあこがれたりもする。ネコ王国のお嫁さんもよいかも?なんてことを一瞬思ってしまう。現実逃避の一環かもしれない。ネコの国から逃げるためにドタバタが繰り返される。ハルを助けるのはネコ男爵のバロンだ。このキャラは「耳をすませば」にもでてきたようだ。割と単純な内容だが、奥深くにある別のテーマにも気づいてしまった。

■ストーリー
車にひかれそうになった猫を助けたことから、猫の国に招かれた高校生少女ハル(声:池脇千鶴)の冒険を、ジュヴナイル感覚で描いていく。

■感想
ネコの恩返しと聞いてイメージするのは、ネコがいろいろと助けてくれるシーンだ。どちらかといえば浦島太郎と同じで、ネコの国に招待されることになる。ハル自身がいやいや招待される形なので、その先ではネコの国からどのようにして脱出するかというのがポイントになる。

ネコの王様にしても悪気があるわけではないのだが、ハルからするとありがた迷惑といった感じだ。そんな状態のハルを救ってくれるのは、ネコ男爵のバロンだ。このバロンがネコ王国のネコたちとは異なったベクトルがあり、かっこよい。

ハルがネコ王国に連れ込まれる前に、天の声のような感じでハルに忠告する言葉がある。これがのちにネコ王国の美ネコであることがわかるのだが…。うがった見方をすれば、ネコ王国の王子とハルが結婚させられることを阻止するために、ハルに忠告を与えたようにも思えてしまう。

ネコ王子と相思相愛ではあるが、もし、その場にハルがやってきてハルが王子との結婚にのり気だった場合、王子がハルに気持ちが傾くかもしれないということを考えたのではないか、なんてことを思ってしまった。

現実世界では様々な悩みがある。(本作ではそれほど悩みの描写はない)ネコののんびりと日向ぼっこをする姿を見て、ハルはネコの世界もよいかも?なんてことを思ってしまう。ネコの世界はネコの世界で、それなりに大変なこともある。

ハルが別世界を見て現実に帰るという、まるで引きこもりを現実に帰すような流れにも思えてくる。他のジブリ作品に比べるとやけにシンプルで単純だが、裏では隠れた様々なテーマがあるような気がしてならなかった。

単純なだけに子供には受けるだろう。



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