ムトゥ 踊るマハラジャ


 2021.7.4      これこそTHE インド映画だ【ムトゥ 踊るマハラジャ】

                     
ムトゥ 踊るマハラジャ(Bluray Disc)
評価:3

■ヒトコト感想
昔流行したインド映画のリマスター版。最近、現代のインドを舞台にした「ガリーボーイ」という作品を見た。ガリーボーイはインドも欧米化されたというのが如実にわかる作品となっているが、インド映画の定番としての集団で歌って踊るという流れはある。その元祖とも言うべき作品が本作なのだろう。

召使のムトゥが大活躍する本作。髭を生やしたおじさんが格闘の達人として暴れまわり、美しい女優と出会う。悪は悪らしく、嫌らしいことをしてくる。ムトゥが心酔するご主人様とムトゥの仲を裂こうとする。少しコメディの要素があり、集団で歌って踊るインド独特な雰囲気。そして、カラフルな衣装。インド人の誰もが楽しめる娯楽作品の王道なのだろう。

■ストーリー
大地主ラージャーの屋敷で働くムトゥは、ラージャーに仕え、専属の執事兼馬車の御者兼ボディーガードとして、常に行動を共にしていた。ひょんなことから彼は旅回り一座の女優ランガと恋に落ちるが、彼が命より大切なラージャーもランガを好きになってしまったからサァ大変。そんな中、ラージャーの伯父による屋敷乗っ取り計画が進んでいた。やがて、誤解と陰謀によってムトゥはラージャーに屋敷を追い出されそうになるが、ラージャーの母シヴァガーミがムトゥの驚くべき出生の秘密を明らかにする…。

■感想
大地主のもと、多くの召使がいるのが当たり前のインドでの物語。召使のひとりであるムトゥは、馬車を操りご主人様のボディーガードも兼務している。ムトゥが時たま、首に巻いたタオルのようなものを何度もかけたり戻したりするシーンがある。

これが頻繁に登場してくるのだが、ここだけ笑うポイントなのかかっこいいと思うポイントなのかわからなかった。日本人の感覚からするとギャグっぽい動きに見えるのだが…。もしかしたら戦う前の究極にかっこよい儀式のひとつなのかもしれない。

本作のマドンナ的扱いである女優がいる。最初はムトゥと喧嘩ばかりしていたのが、いつの間にかお互い意識し始め、良い関係となる。ムトゥと仲間たちと踊るダンスは圧巻だ。男女に分かれ、色で統一されたダンス。その色の部分においてはカラフルさが際立っている。

一糸乱れぬ揃ったダンスも圧巻で、インド独特の首を左右に振る動作も印象的だ。この集合してのダンスというのはインド映画には欠かせないのだろう。ストーリーとしてはまったく必要ないのだが、ミュージカル調な雰囲気が物語を盛り上げている。

インドはカースト制の名残があるのか、主人と召使いの立場は明確だ。ムトゥは主人に対して心酔しており、決して反抗することがない。そんな主人が悪者に騙されムトゥを追い出してしまう。ショックを受けるムトゥだが、すべての秘密が明らかとなった時、ラストでは大どんでん返しが待っている。

熱い戦いのシーンあり、面白コメディシーンあり、歌ありダンスあり。なんでも詰め込んだような作品だ。3時間近い長大な作品であるため、合間に休憩時間があるなど、インド映画独特な風習もまた良い。

ダンスシーンのカラフルさはすさまじい。



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