モンスターズ 地球外生命体


 2018.7.17      モンスターがステレオタイプすぎる 【モンスターズ 地球外生命体】

                     
モンスターズ/地球外生命体 [ スクート・マクネイリー ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
地球外生命体が地球にやってきた。物語はカメラマンのコールダーと社長令嬢のサマンサのふたりを中心に描かれている。地球外生命体の来襲から数年が経ち、危険地帯から抜け出そうとするふたりの道中は不気味だ。地球外生命体そのものの正体はなかなか登場してこない。ただ、あちこちに荒廃したビルや家が立ち並び、モンスターに襲われたような残骸が残る。

そんな場所を通りコールダーとサマンサの二人は安全地帯であるアメリカを目指す。まさに非日常というか、金により危険地帯を抜ける算段や、道中でモンスターの姿が見えたりと、雰囲気はあの「ミスト」に近いかもしれない。何か恐ろしいことが付近で発生しているが、そのものが見えないことによる強い恐怖感がある。

■ストーリー
NASAは、太陽系に“地球外生命体”の存在を確認。探査機がサンプルを採取したが、大気圏突入時にメキシコ上空で大破してしまう。その直後から突如出現し始めた地球外生命体の増殖によって、メキシコの半分は危険地帯として隔離された…。

6年後、“モンスター”たちの襲撃で大きな被害を受けるメキシコでスクープを狙うカメラマン、コールダーは、上司から怪我をしてしまった社長令嬢のサマンサを、「アメリカとの国境まで送り届けろ」という命令を受ける。

■感想
壊された車にボロボロの家。まるで嵐にでもあったかのような状況だ。地球外生命体の来襲を受け、メキシコの半分は危険地帯と化している。そんな状況から脱出しようとする二人は、モンスターに襲われた残骸を残しアメリカへと急ぐ。

ごく普通の旅の中で、突如として壊れた車や家が登場してくる。モンスター自身の映像は序盤にはほとんど登場してこない。何かしら触手的なモノがうねうねとくねりながら戦闘機をもち上げたりするのみだ。そんな状況を目の当たりにした二人は、恐怖で顔をゆがめることになる。

モンスターの被害を横目にひたすら安全地帯を目指す二人。そして、とうとうアメリカに到着したかと思いきや、そこには誰一人として存在しない場所だった。すでにモンスターに攻撃され全滅したのか。それとも…。

モンスターの断片だけが見えてくると、非常に恐ろしさが増幅される。結末間近ではモンスターがその姿を現す。まさに絶体絶命の状況だ。「ミスト」と同じような絶望感にさいなまれるが、それでもその先では、最後にしっかりと救いがあるのがよい。

モンスターを小出しにし、恐怖感を煽るのは良い。ただ、その先ではモンスターの正体が割とステレオタイプな地球外生命体というのには、少しだけがっかりした。巨大なクラゲが地上に降り立つような感じとでも言えばよいのだろうか。

長い触手がキラキラと輝き、何か大きなインパクトのある攻撃をしてきそうな感じはある。コールダーとサマンサの恋愛っぽい雰囲気は少しだけあるのだが、基本はモンスターに襲撃された地球で、サバイバル的に逃げ惑う作品だ。

モンスターが割とステレオタイプなことが少し残念だ。



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