2020.9.14 モンスターの横で人間同士が殺し合う【モンスターズ 新種襲来】
モンスターズ 新種襲来
評価:2.5
■ヒトコト感想
「モンスターズ 地球外生命体」の続編。米軍対地球外生命体という流れから時が経ち、モンスターが地球上をうごめくのが当たり前の世界となる。タイトルにあるように新種が襲来するのだが、モンスターと米軍の激しい戦いがあるわけではない。巨大なモンスターは砂漠の中をゆっくりと移動する。モンスターを米軍のヘリや飛行機が爆撃する。モンスターと米軍の戦いというのは続くのだが、モンスターの恐怖を感じることはない。
結局、地球にモンスターが襲来したとしても、米軍は中東のテロ組織との闘いに苦戦している。モンスターが傍らにいるとしても、テロ組織にとらえられた米兵が苦労して脱出したり、米兵の精神がおかしくなり罪もない中東の市民を殺害したりもする。タイトルからは想定できない流れだ。
■ストーリー
米軍 vs. 地球外生命体 戦争勃発! 人類の存亡をかけた戦いが今、始まる― “地球外生命体"を載せた宇宙探査機が地球に到達して16年、モンスターがうごめく危険地帯はメキシコから全世界に拡大していた。中東ではモンスターへの 攻撃のために米軍による空爆が行われたが、巻き込まれた武装勢力と戦闘が激化。モンスターという人類共通の脅威をよそに、人間同士の戦争が果てしなく続いていた。
そんな中、新たに派兵された若き米兵たちに、危険地帯の深部で連絡を絶った部隊の救出任務が下る。歴戦の英雄・フレイター軍曹と共に危険地帯に足を踏み入れた彼らは、そこで未だかつてない巨大モンスターと遭遇するのだった……激しい戦闘の果てに彼らに待ち受ける衝撃の真実とは?そして巨大モンスターの出現は人類にとって一体何を意味するのか! ?
■感想
巨大なモンスターが砂漠の中を歩く。それは激しい敵意をむき出しにするわけでもなく、ただキリンがサバンナを歩くように、巨大なモンスターはゆっくりと歩いている。超巨大なモンスターに対して米軍は容赦なく攻撃を繰り返す。
多少の反撃はあるのだが、そこまで激しいものではない。米軍とモンスターの戦いは、米軍が優勢のように思えるのだが…。そこで地上戦としては、米軍の車両に並走するように小型のモンスターが砂漠を走っている。まるで小動物のような感じだ。
米軍が戸惑うのは中東のテロ組織だ。米兵が捕らえられ、攻撃される。モンスターが地球の脅威となっている場であっても、米軍が窮地におちいるのはゲリラの攻撃だ。米兵たちは次々と、どこから攻撃してくるかわからないテロ組織に苦労する。
捕らえられた米兵がやっとのことで脱出するのだが…。砂漠をさまよい歩きながら、仲間を助けようとする。米兵はテロとの戦いに疲弊し精神がおかしくなる。そこから罪のない市民に対して攻撃したりもする。異常な状況だ。
巨大なモンスターが砂漠を闊歩しているその横で、人間同士が戦う。なんだか非常にシュールな映像だ。巨大なモンスターは種のようなものをあたりにまき散らし、種からは小さなモンスターが生まれでる。このことについて特別な描写はない。
人間同士の戦いに苦心しつつ、目の前では地球に襲来した新種のモンスターが種族を増やそうとしている。人間は滅びていき、モンスターが反映していくしかない流れなのだろう。地球の危機であっても米軍とテロ組織との闘いが続いていることが衝撃的だ。
人間のむなしさを感じずにはいられない。
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