2021.9.29 手塚治虫的キャラが印象的だ【メトロポリス】
メトロポリス [Blu-ray]
評価:3
■ヒトコト感想
手塚治虫原作の作品。人間とロボットが共生する都市での出来事。人造人間の開発で指名手配されているロートン博士を探すためにやってきた私立探偵の髭オヤジとケンイチが主人公なのだが…。メインは人造人間の少女ティマとティマを排除しようとする権力者の息子の物語だ。手塚治虫キャラが動き回る。ヒゲオヤジなんてのは手塚治虫のテンプレキャラだ。
父親がティマにすべてを受け継がせようとすることに拒否感を示し、ティマを亡き者にしようと考える男は、見た目は主人公的なかっこよさがある。ロボットを排除しようとする人間もいれば、ロボットが支配し人間に対して反乱する場面もある。人間とロボットの共生は難しいというのを感じさせる作品だ。
■ストーリー
私立探偵のヒゲオヤジとケンイチ少年は、ある事件を追ってメトロポリス―人間とロボットが共に暮らす巨大都市国家―へやってきた。生体を使った人造人間の開発で問題となり、国際指名手配になっているロートン博士を探すためだ。ところが、ロートンの秘密研究所が何者かに放火され、捜索中で現場近くにいたケンイチは逃げ遅れた不思議な少女ティマを救った。その少女がメトロポリスの運命を握っていることなどケンイチは知る由もない。
■感想
独特な絵柄なので手塚治虫の原作というのはすぐにわかった。ロボットと人間が共生する巨大都市。ただ、人間からいいように使われる存在がロボットだ。掃除ロボットやゴミ拾いロボ。何かがあるとすぐに射殺されるロボ。人間とロボットが平等ではない世界だ。
そんな世界で、禁断の人造人間が作られる。それも権力者の後継者として。ティマ自身がそのことに気づいておらず、自分を人間と思っている。ケンイチと一緒に行動することでティマは人間と変わらない存在となっていくのだが…。
ティマを執拗に追いかける男がいる。ロートン博士を射殺し研究所を放火した男。権力者である父親が人造人間を跡取りとしようとすることに反発する。この男がケンイチとティマを追いかけ続ける。その過程で邪魔をするロボットたちを次々と破壊していく。
人間の命令だけを忠実に聞く掃除ロボットたちが、あっさりと男に破壊される場面は悲しくなる。ロボットには感情はない、ということになってはいるが、なぜかかわいそうになってくる。私立探偵のヒゲオヤジはオマケ的なキャラでしかない。
ティマは都市のすべてのロボを制御する力を得る。そして、ロボは世界を破壊しようとする。まるで「ターミネーター」のスカイネットのように、ロボは人間を必要とは考えない。AIが発展すると人間を排除するとというパターンのとおり、ロボは暴走していく。
その暴走を止めるのは、ケンイチだ。人間の心が通じ合うのはティマが生体を元にした人造人間だからだろう。何気に悲しいのは、ティマを排除しようとした権力者の息子だ。考え方は間違ってはいないが、行動が短絡的すぎたのだろう。
手塚治虫のキャラが動き回るのは新鮮だ。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp