メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮


 2021.10.27      ただのゾンビ映画に変わっている【メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮】

                     
メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮 [ ディラン・オブライエン ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
前作では少年少女たちが謎の施設に捕らえられ、脱出するための巨大な迷路を攻略するという部分がミステリアスで面白かった。本作では脱出した少年たちが、その後どうなったかが描かれている。本作に期待してしまうのは、ミステリアスな巨大迷路なのだが…。本作では迷路は登場してこない。

荒廃した世界の中で、人体実験から逃れるために自分たちを操っていた巨大組織から抜け出そうとする。前回のキャストはほとんど出ておらず、まったくの新作と考えた方が良いだろう。謎のウィルスに侵された世界で、少年少女たちだけがウィルスの免疫をもっている。その秘密を探るために巨大組織は少年たちを追いかけ続ける。ただのゾンビ映画のようになってしまっている。

■ストーリー
巨大迷路を脱出し、自分たちを操っていた組織の存在を知ったトーマスたち。逃げ込んだシェルターでは、仲間たちがその組織によって人体実験をされているという、さらなる驚愕の事実を知ってしまう。命の危険を察し脱出を試みるトーマスたち。しかし建物の外には、太陽に灼きつくされすべてが崩壊した砂漠のような光景が広がっていた。迫りくる組織の捜索隊、そして新たな敵。あちこちに仕掛けられた攻略不能のトラップ=罠。仲間との友情と裏切り、深まる謎、そして衝撃の犠牲。走り続けるトーマスが知る禁断の事実とは――!?

■感想
主人公のトーマスは自分たちを助けてくれた組織の中で、平穏に暮らしていたのだが…。実は人体実験されていると気づき、脱出しようとする。世界を滅ぼしつつあるウィルスから逃れるためのワクチン製造には、ウィルスの抗体をもつトーマスたちで人体実験をする必要がある。

組織から逃げ出すと、そこは灼熱の太陽が照りつける砂漠のど真ん中だった。前回の迷路内部でのミステリアスな状況から、組織からの逃亡の物語となる。本シリーズの売りはミステリアスな迷路だったのだが、それがないと魅力が半減する。

ゾンビのような存在に襲われることになる。これが恐らくはウィルスに感染した者の末路なのだろう。ゾンビに噛まれてしまうと感染し、そこからゾンビになってしまう。まさによくあるタイプのゾンビだ。ゾンビから逃げつつも、組織からも逃げる。

途中でレジスタンス的なグループと合流し、少年たちが集まる楽園へと向かおうとする。中盤以降はごく普通のゾンビ映画になってしまっている。迷路の要素がないと、途端に普通のどこにでもある作品となっている。映像的なインパクトがそれなりにあるのは間違いない。

明らかに続編がある終わり方をしている。一緒に逃亡していたひとりが組織に再び捕らえられ連れていかれてしまう。グループ内部で裏切り者がおり、隠れ家がバレてしまう。ウィルスを撲滅するためには少年少女たちの協力が必要となる。人体実験されるとわかっていながら、自分から進んで組織に戻ることはできないだろう。

世界を救うためという大義名分があるにせよ、当事者の少年たちからすると、人体実験を受け入れることはできない。人体実験を推進する女博士は強烈なインパクトがある。

続編は作られるのだろうが、どのような展開になるのだろうか。。。



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