2021.2.27 マリィと小山田がとうとう結婚する 【魔法使いと最後の事件】
魔法使いと最後の事件 [ 東川篤哉 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
魔法使いシリーズの最終回。前作から、マリィが小山田刑事の家を出て行ってしまってからの物語となっている。このシリーズのマリィは魔法使いと美少女ということ以外はオマケでしかない。魔法で強引に事件の犯人と思わしき人物に自白させる。そのパターンは継続されている。そのため、ミステリー的な謎解きを楽しむべき作品ではない。
マリィと小山田のドタバタを楽しむべき作品だろう。今回は、とうとうマリィと小山田が結婚する。といっても、小山田の勘違いで魔法をかけられた婚姻届けを役所に出してしまったことにある。オカルト雑誌に狙われている状態ではあるが、多少強引に結婚という流れとなり、事件もそれなりに解決している。事件のトリックとしては目新しいものはない。
■ストーリー
オカルト雑誌に目をつけられ、八王子から姿を消したマリィ。寂しき小山田刑事は、たった一人で難事件に挑む。しかし事件関係者の周囲で、三角帽に箒を持った少女の目撃情報が!?笑って驚いて、最後は感涙。魔法使いマリィと小山田刑事のユーモアミステリーシリーズ、ついに完結!
■感想
魔法使いマリィと小山田刑事がドタバタを繰り返すシリーズ。「魔法使いと幻の最終回」は、ダイイングメッセージを使ったトリックだ。この短編で小山田刑事は間違えてマリィとの婚姻届けを役所に出してしまう。ただ、そのことをマリィには言えずに、マリィが無事に家に戻ってくる。
前回までで、オカルト雑誌に狙われたためどこかへ行ってしまったマリィだが、なんてことなくすぐに戻っている。まぁ、マリィがいないとこのシリーズは始まらないので多少強引でもしょうがないのだろう。
「魔法使いと隠されたメッセージ」。この作品もダイイングメッセージがカギとなる。ただ、犯人側もダイイングメッセージの存在に気づき、それをあえて別の人物が犯人となるように細工をするのだが、逆にそのことが裏目にでてしまうパターンだ。
マリィと小山田刑事のゴタゴタというよりは、結婚に向けてなんだかんだとふたりは仲良くなる雰囲気すらある。そして、独身女性である上司がひとり残されるという展開になるのは容易に想像がつく。やはりこのシリーズはキャラクターがすべてだ。
「魔法使いと五本の傘」は殺人現場に残された傘が誰のものかというトリックだ。このシリーズは事前に犯人側の目線でトリックを明かしているので、あとはそのトリックをどのようにして小山田刑事が見破るかというのが面白さのポイントなのだが…。
マリィが完全復活したことで、魔法で怪しい容疑者に自白させるというパターンだ。トリック解明は何もない。ただ、物語としての証拠固めが必要なので、そこに行き着くまではしっかりと道筋ができている。犯人側があきらめるのがやけに早いような気もするが…。
マリィと結婚する小山田刑事は相当苦労する未来が予想できる。
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