高慢と偏見とゾンビ


 2019.8.1      「プライドと偏見」のゾンビ版【高慢と偏見とゾンビ】

                     
高慢と偏見とゾンビ [ リリー・ジェームズ ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
「プライドと偏見」的な雰囲気にゾンビを付け加えた作品。高慢と偏見という小説をモチーフにした作品なだけに、新しいゾンビ映画のように思えてしまった。中世ヨーロッパの世界でゾンビと戦う者たち。ベネット家の5姉妹は果敢にゾンビと戦う。大富豪の騎士ダーシーがやってきてゾンビをうち倒していくのだが…。

ゾンビとの闘いの中で、5姉妹とダーシーがいがみ合い惹かれあい、そして偏見に気づいていく物語だ。基本はゾンビ映画なので、人間の脳を食べるゾンビであっても、自制できれば見た目は普通の人間と変わらない状態になる。となると、隠れたゾンビがすぐ近くで一緒に生活しているパターンもある。ゾンビとの対決はグロテスクなことこの上ない。

■ストーリー
18世紀イギリス、謎のウィルスが蔓延、感染したものはゾンビとなって人々を襲っていた。片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹は、裕福な人との結婚を夢見ながら得意のカンフーでゾンビと戦う日々を送っていた。そんなある日、屋敷の隣に、大富豪の騎士ダーシーが引っ越してきた。

狂気乱舞する姉妹だったが、次女エリザベスは、初対面でみせた彼の高慢な態度に嫌悪感を抱いていた。だが、人類とゾンビの最終戦争が勃発し、共に戦うことになった二人は、互いの偏見に徐々に気づきはじめ、そして―。

■感想
中世ヨーロッパの世界。きらびやかなドレス姿の女たちが剣を振り回しカンフーを駆使してゾンビを倒す。「プライドと偏見」のイメージそのままで、ゾンビと戦うというのは異様な光景だ。ゾンビはあからさまにゾンビな風貌もあれば、まったくわからないパターンもある。

屋敷や町中にゾンビが潜んでいる場合もある。ひそかにゾンビが蔓延した場合は、人間は太刀打ちできない。作中でも、人間が育つのには時間がかかるが、ゾンビ化は一瞬だというのが印象深い。

ゾンビは人間の脳みそが大好物だ。そのため、ゾンビの中で理性的であり、欲望を抑えられる者は人間と交渉しようとする。人間側もゾンビが理性をもって行動するならと、ゾンビと共存というとんでもない状況へと流れていこうとする。

見た目がまったく人間と変わらず、人間を襲いたいという欲望も抑えられるとしたら…。ただ、ゾンビはゾンビなので、裏では人間を襲うことは間違いない。人間界にひそみ、中には立派な地位を手に入れたゾンビもいる。バレなければゾンビは人間の中で普通に生活できている。

物語は次女のエリザベスとダーシーの恋愛模様も含んでいる。家柄の違いや、最初の印象が悪すぎたことも影響しているのだろう。5姉妹はドレスを着た状態で激しくゾンビと戦う。ダーシーの圧倒的な強さに心惹かれつつも、自分たちの能力をしっかりとアピールしている。

強烈なインパクトはないのだが、ラストでは実はゾンビだったという定番のオチもある。それまでダーシーとライバル的な争いをしていた者が、実はゾンビだった。ゾンビを撃退する中世ヨーロッパの人々の物語だ。

「プライドと偏見」的なイメージが強いゾンビ映画だ。



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