2020.7.4 親友のうざさは強烈だ【君の膵臓をたべたい(アニメ)】
劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」
評価:3
■ヒトコト感想
実写版はすでに見ている。劇場アニメとしてはほぼ内容は実写版と同じ。キャラクターがアニメなので、多少印象が変わってくる。主人公の「僕」が実写版はなんだかんだとイケメン俳優が演じていたので桜良が興味をもつのもうなずける。アニメでは冴えない感じと協調性のない暗いキャラクターとして描かれているので、桜良の意外さがより強まっている。
アニメ版の方がかわいらしさが増している。実写版も良いのだが、アニメ独特のかわいらしさがすさまじく良くでている。ラストの桜良の死に方については、改めて驚きがある。病気で死ぬのではないというのがポイントなのだろう。そして、桜良の親友から詰められる「僕」という流れは、理不尽な印象しかない。
■ストーリー
彼女は言った。「君の膵臓をたべたい」春。まだ遅咲きの桜が咲いている、4月のこと。他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」は、病院の待合室で、一冊の文庫本を拾う。手書きの文字で『共病文庫』と題されたその本は、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。日記の中身を目にした「僕」に、桜良は自分が膵臓の病気で余命いくばくもないことを告げる。それは、家族と医師以外には病気を隠している彼女にとってただひとり、秘密を共有する相手ができた瞬間だった。
最期の日が訪れるまで、なるべくこれまでどおりの日常生活を送りながら、やりたいことをやり、精一杯人生を楽しもうとする桜良。そんな彼女の奔放な行動に振り回され、「僕」の心は少しずつ変化していく。――それは、「僕」の春の思い出。彼女の一生の思い出。
■感想
実写版を見たときの印象では、やけに桜良のキャラが不自然と感じられた。しゃべり方から「きみ」という呼び方まで気になっていた。それがアニメだと、逆にキャラにあっているようにすら思えてくる。実写版とほぼ同じようなしゃべり方なのだが、やはりアニメ的な演技だとわかった。
明るく可愛くて、人を避ける僕に対しても驚くほど積極的にかかわってくる。実写版よりも、さらに童貞キラー感が強い作品となっている。現実にはこんなかわいく明るい子が、嫌がる男にここまで絡んでくることはありえない。
実写版ではそこまで感じなかったが、桜良の親友のうざさは強烈だ。桜良が僕に絡むことが気に入らないなら、あくまで桜良と話合えば良い。それを僕に言いがかりをつけて文句を言う。あげくは桜良が死んだあとに僕が桜良の遺言代わりの手帳を見せた場面だ。
そこで桜良の本心や病気のことを知ってなお、僕のことを絶対に許さないと言う。ここまでくると異常者としか思えない。親友として桜良に病気のことを打ち明けられなかった自分を不甲斐ないと思うべきだろう。僕に対しての嫉妬でしかない。
アニメ版の桜良の可愛さは秀逸だ。実写版とは違う非現実的な可愛さだ。実写版ではテレがあるが、アニメはそれがない。冴えない男に夢を見させるのには、これほど強烈な作品はない。モテなくて冴えない高校生男子が、ちょっとかわいい子に親切にされると勘違いしてしまう元凶かもしれない。
タイトルにあるように、不治の病におかされた桜良が最後の最後に病気で死ぬというパターンがきれいなのかもしれないが、あえて事故死という結末をもってくるのが本作のポイントだろう。
アニメ版の方がより男に夢を見させている。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp